石狩橋本駅

石狩橋本駅（いしかりはしもとえき）

石狩橋本駅は、かつて北海道樺戸郡新十津川町上徳富に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）札沼線の廃駅です。この駅は、地域の要望と複雑な経緯を経て開設されました。事務管理コードは▲120205。

歴史

駅の設置を巡っては、当初、新十津川村（当時）内で意見が対立しました。村の大部分は、役場のある中徳富（後の新十津川駅）を含む3駅の設置を望んでいましたが、橋本町の住民は2駅設置を主張しました。これは、橋本町への2駅目設置によって、役場の移転や分村を画策する動きと批判されました。

最終的に鉄道省は、上徳富、中徳富、下徳富の3駅設置を決定しましたが、橋本町の住民が「上徳富高台」への駅設置を陳情。この結果、石狩橋本駅を含む4駅が開設されることとなりました。

1931年（昭和6年）10月10日：鉄道省札沼北線 石狩沼田 - 中徳富（初代、現在の新十津川）間開通と同時に開業。
1943年（昭和18年）10月3日：太平洋戦争の激化により、不要不急線として休止。
1953年（昭和28年）11月3日：札沼線 浦臼 - 雨竜間復活により営業再開。
1972年（昭和47年）6月19日：札沼線 新十津川 - 石狩沼田間廃止とともに廃駅。

駅名の由来

駅名は、地名「橋本町」に由来します。石狩川に橋が架けられた際、そのたもとに形成された宿場が「橋本町」と呼ばれたことによります。

駅名決定の際にも、橋本町住民は「新十津川」という駅名を主張しましたが、村内で論争が起こりました。最終的に、1931年（昭和6年）5月8日の村会で、当駅を「新橋本」、中徳富設置の駅を「新十津川」とするよう鉄道当局に請願することが決定し、5月11日に村長名で請願が行われました。

請願理由として以下の内容が述べられました。

「鉄道省は、中徳富の駅名を新十津川としようとしているが、新十津川村役場の位置は橋本地区の中央であり、この地区に新十津川駅を設置することを希望する。このため、中徳富の駅名を別の名前に変更していただきたい。」

この結果、中徳富の駅は「中徳富」（後に「新十津川」に改称）、当駅は「石狩橋本」と命名されました。「石狩」を冠したのは、既に横浜線と和歌山線に橋本駅が存在したためとされています。

駅構造

石狩橋本駅は地上駅で、廃止時まで駅員が配置されていました。駅舎は札幌方面に向かって左側の東側に設置され、駅舎前には単式ホーム1面1線と副本線、駅舎の札幌側には貨物ホームと引込線がありました。

利用状況

乗車人員の推移は以下の通りです。1日平均は年間の値を当該年度の日数で除した値を括弧書きで示します。

(省略)

駅周辺

国道451号
新十津川神社
国道275号
駅跡：営業当時の農業倉庫が残っていますが、鉄道用地は宅地化されています。

隣の駅

日本国有鉄道
札沼線：新十津川駅 - 石狩橋本駅 - 上徳富駅

脚注

(省略)

関連項目

赤字83線

外部リンク

* 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス 1968年撮影航空写真 MHO683X-C4-8 写真右下に当駅があります。

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