新潟県第3区 (中選挙区)

新潟県第3区（1947年～1993年）

新潟県第3区は、1947年の第23回衆議院議員総選挙から設置された中選挙区制の選挙区で、1994年の小選挙区制導入に伴い廃止されました。廃止時の定数は5議席でした。

概要

区域は、長岡市、三条市、柏崎市、南蒲原郡、三島郡、古志郡、北魚沼郡、南魚沼郡、刈羽郡で構成されていました。これらの地域は、市町村合併などを経て若干の変更がありましたが、定数に変更はありませんでした。小選挙区制導入後、旧新潟3区は新潟5区（長岡市など）、新潟4区（三条市など）、新潟2区（柏崎市など）に再編されました。

旧新潟3区は、新潟県第2の都市である長岡市や、柏崎刈羽原子力発電所が立地する柏崎市などを抱えていました。関越自動車道・北陸自動車道、上越新幹線といった高速交通網の整備が進み、東京などの企業の工場が進出する一方で、魚沼産コシヒカリに代表される日本有数の稲作地帯でもありました。豪雪地帯であり、農業振興や克雪対策が重要な課題でした。

勢力の推移

新潟3区は、田中角栄元首相の選挙区として知られています。しかし、初期の田中は必ずしも圧倒的な勢力を持っていたわけではなく、地主や商家出身の議員が強い影響力を持っていました。田中が勢力を拡大したのは、魚沼地区への浸透や長岡鉄道社長就任による三島郡での支持拡大がきっかけでした。1952年の第25回衆議院議員総選挙でトップ当選を果たしてからは、田中が他の議員を凌駕する存在となりました。

一方、日本社会党は戦前の農民運動で培った強力な支持基盤を有していました。旧新潟3区では、三宅正一が1936年の第19回総選挙で当選しています。戦後、三宅は公職追放となりましたが、小林進や稲村順三がその議席を継承しました。三宅の公職追放解除後は、三宅自身も新潟3区から国政に復帰しました。社会党は、1955年と1960年の総選挙で3議席を獲得しましたが、党勢の衰退とともに議席を減らし、右派と左派の対立も抱えていました。

1970年代以降は、田中角栄の後援会である「越山会」が選挙区を隅々まで組織し、「田中支配」と呼ばれるほどの強固な地盤を築きました。選挙では田中がどれだけの票を獲得するかが注目され、残りの議席を他の候補者が争うという構図が定着しました。

1983年のロッキード事件判決後の衆議院議員総選挙（ロッキード選挙）では、実刑判決を受け控訴中だった田中角栄が自民党を離党していましたが、越山会は田中の地元と国政への貢献を訴え、田中は圧倒的な得票数で当選を果たしました。

1986年の総選挙では、脳梗塞で倒れた田中は選挙活動を行うことができませんでしたが、越山会が精力的に活動し、田中は連続16期目の当選を果たしました。

田中引退後の1990年の総選挙では、田中票をめぐって複数の候補者が争い、社会党も議席を増やしましたが、かつての勢いを取り戻すには至りませんでした。1993年の総選挙では、田中の娘である田中眞紀子が初当選を果たしました。

公明党や民社党も候補者を擁立しましたが、議席を獲得することはできませんでした。日本共産党は当選圏内には届かず、その他の政党も振るいませんでした。

区域

第40回衆議院議員総選挙時点での区域は以下の通りです。

長岡市
三条市
柏崎市
小千谷市
加茂市
見附市
栃尾市
南蒲原郡
三島郡
古志郡
北魚沼郡
南魚沼郡
* 刈羽郡

現在は、新潟4区の全域と新潟2区、新潟5区の一部に分かれています。

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