新納康久

新納康久

新納康久（にいろ やすひさ）は、戦国時代の武将であり、島津氏の家臣として活躍しました。新納氏は、島津氏の庶流にあたります。康久は、新納忠澄の子として生まれました。

生い立ちと島津氏への奉公

幼少の頃より、島津忠良に仕え、その命により安楽雅楽介、伊駒筑前介、そして大弐という女性の3人に養育されました。このことから、忠良からの信頼が厚かったことが伺えます。

成長すると、忠良の家老となり、政治や軍事の両面で活躍しました。天文8年（1539年）には、忠良と対立していた薩州家島津実久方の武将、大山内蔵介が拠る加世田城攻めに参加し、その武勇を示しました。

種子島の内訌調停

天文11年（1542年）、種子島恵時とその子である時尭の間で内紛が発生すると、島津貴久の命を受け、康久は和解の使者として派遣されました。このことから、康久が外交面でも高い能力を持っていたことが分かります。

市来鶴丸城の城主

天文17年（1548年）、康久は伊集院忠朗に代わって薩摩国市来鶴丸城の城主となります。この頃から、康久は地域を治める領主としての役割を担うようになりました。

フランシスコ・ザビエルとの交流

天文18年（1549年）、鹿児島を訪れていたフランシスコ・ザビエルが布教の途中に鶴丸城に立ち寄った際、康久は彼を手厚くもてなし、自由に布教することを許可しました。この時、康久の夫人と子・久饒、旅庵をはじめとする家臣17人が洗礼を受け、キリスト教に入信しました。永禄4年（1561年）には、ルイス・デ・アルメイダが島津貴久の招きで鹿児島を訪れた際、鶴丸城に立ち寄った時にも、さらに70名が洗礼を受けたと言われています。このことは、康久がキリスト教に対して寛容な姿勢を持っていたことを示しています。また、康久の行動は、当時のキリスト教の布教活動に大きな影響を与えました。

死没

康久の没年は不明ですが、8月2日に病死したと伝えられています。彼の生涯は、戦国時代の武将としての武勇、外交官としての能力、そして新しい文化に対する柔軟な姿勢を示しており、歴史に名を残す人物と言えるでしょう。

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