新豊根ダム

新豊根ダムについて

新豊根ダム（しんとよねダム）は、愛知県北設楽郡豊根村に位置する多目的ダムです。このダムは、一級河川・天竜川水系の大入川に建設され、高さ116.5メートルのアーチ式コンクリートダムとして知られています。国土交通省中部地方整備局と電源開発（J-POWER）が共同で管理するこのダムの目的は、治水と水力発電です。

現在、新豊根発電所は、みどり湖と佐久間ダム湖を繋ぐ揚水発電所として機能しており、その発電能力は最大で112万5,000キロワットに達します。水力発電事業が盛んなこの地域は、ダム建設により日本有数の水力発電地帯としての地位を確立しています。また、ダムによって形成された人造湖は「みどり湖」と呼ばれ、周辺地域の美しい景観を形成しています。

地理

大入川は天竜川の支流の一つで、本来の流域や支流からの水を集めて流れています。流域面積は136.3平方キロメートルに及び、津具川と坂宇場川が合流して大入川となります。ダムは大入渓谷の上流部に建設され、その下流には自然の中心となる大千瀬川が流れています。ダム湖の名「みどり湖」は、他の地域に同名の湖が存在するため、注意が必要です。

歴史

新豊根ダムの歴史は、特に愛知県内の急峻な山岳地帯での電源開発計画の一環として始まりました。1962年から始まった調査を経て、1968年には新豊根ダムの建設が正式に決定されましたが、その際には水害の影響も受けており、沿岸部の住民の反対も強かったのです。1971年からは愛知県と電源開発の共同プロジェクトとして本格的な建設が行われ、1973年に運用が開始されました。

ダムの目的

新豊根ダムは、洪水調節と水力発電を主な目的としています。具体的には、過去の水害を基にした計画を元に洪水の流量を調整しつつ、発電を行うことに特色があります。このような治水機能は、将来的に他のダムとの連携によるさらなる強化が期待されています。

新豊根発電所

新豊根発電所は、J-POWERが運営する揚水発電所で、上池としてみどり湖を、下池として佐久間ダム湖を活用しています。この発電所は50ヘルツ、60ヘルツの双方に対応可能で、合計5台の発電機が設置されています。発電所の設計では、自然流入する水から生成する電力も重要ですが、大部分は佐久間ダムからくみ上げた水を利用して発電されるため、効率的な運営がなされています。

周辺環境

新豊根ダムの周辺には公園が整備されており、一般の訪問者が楽しめるようになっています。駐車場や公衆トイレも設置されており、ダムの堤頂も歩道として開放されています。訪問者はその美しい景観を楽しむことができるほか、ダムを見学することも可能です。

アクセス

お立ち寄りの場合は、国道151号を利用し、愛知県道428号や429号を通るのが便利です。また、高速道路からもアクセス可能で、複数のインターチェンジからの経路があります。ただし、近隣では道路の通行止めが発生する場合もあるため、最新情報を確認しての訪問をおすすめします。

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