日本とカザフスタンの関係

日本とカザフスタンの関係

日本とカザフスタンの関係は、1991年12月16日のカザフスタン独立、そして同年末の日本の国家承認によって本格的に始まった比較的新しい二国間関係です。ソ連時代にも僅かな交流はありましたが、現在の両国関係は独立以降に構築されてきました。

両国の比較

要人往来

両国は互いに大使館を設置しており、活発な要人往来があります。2006年には小泉純一郎首相、2015年には安倍晋三首相がカザフスタンを訪問しました。カザフスタン側からは、2019年にヌルスルタン・ナザルバエフ大統領が来日し、即位の礼への参列と会談を行いました。これにより、両国間の友好関係が強化されています。

経済・技術交流

経済・技術面では、2004年の技術協力協定、2008年の租税条約、2010年の原子力協定、2014年の投資協定など、21世紀に入ってから多くの二国間協定が締結されています。特にカザフスタンはウランの主要産出国であり、日本は原子力発電所を保有しているため、原子力エネルギー分野での協力関係が重要です。

貿易面では、日本の対カザフスタン輸出額は輸入額を大きく下回る輸入超過の状態です。これは、日本がカザフスタンから原油や合金鉄などの資源を輸入しているためです。日本のカザフスタンへの直接投資も行われており、カスピ海のカシャガン油田開発には日本の国際石油開発帝石（INPEX）が参加しています。また、カザフスタンへの開発支援も行われており、2016年には日本がカザフスタンへの資金援助額で5位となっています。

文化交流

文化面では、カザフスタンの首都アスタナが、日本人建築家である黒川紀章氏の計画に基づいて建設されたことが特筆されます。アスタナはベルリンをモデルとした計画都市であり、現在も都市計画が進行中です。

人的交流は、在留邦人121人、在日カザフスタン人423人と、まだ限定的です（2021年時点）。しかし、両国間の交流は徐々に深まっています。

外交使節

駐カザフスタン日本大使館、駐日カザフスタン大使館がそれぞれの国に設置されており、外交関係を支えています。以下に歴代の駐日カザフスタン大使を記します。

サーブル・サイラウベコヴィチ・エシムベコフ（臨時代理大使: 1995～1996年、初代駐日大使の着任後も2000年まで駐日大使館で勤務、大使: 2021年～）
チェレウーハン・カッブドゥラフマノフ（1996～2003年）
カイラート・サルジャーノフ（臨時代理大使: 2003年）
ボラット・カビディルハミトヴィチ・ヌルガリエフ（2003～2006年）
ディナーラ・ジェルディバエバ（臨時代理大使: 2006～2007年）
アクルベク・アブサトウリ・カマルディノフ（2007～2016年）
イェルラン・ケネスーウリ・バウダルベック＝コジャタエフ（2016～2021年）

シベリア抑留

第二次世界大戦後、シベリア抑留により、多くの日本人捕虜がカザフスタンの各地に設けられた収容所（ラーゲリ）へ移送され、強制労働に従事させられました。資料によって幅がありますが、約35,000人から58,900人もの日本人がカザフスタンに抑留されたとされています。過酷な環境下で多くの日本人が命を落としました。この歴史的な背景も両国関係に影響を与えています。

脚注

注釈

カザフスタンの首都アスタナは、2019年にヌルスルタンに改称されましたが、2022年に再びアスタナに戻されました。

出典

外務省: カザフスタン共和国（Republic of Kazakhstan）基礎データ
宇山智彦 (著, 編集), 藤本透子 (著, 編集)『カザフスタンを知るための60章 (エリア・スタディーズ134)』 2015

関連項目

日本の国際関係
在カザフスタン日本国大使館
駐日カザフスタン大使館

外部リンク

在カザフスタン日本国大使館
在カザフスタン日本国大使館（ロシア語）
駐日カザフスタン大使館
駐日カザフスタン大使館（カザフ語）
駐日カザフスタン大使館（英語）
* 駐日カザフスタン大使館（ロシア語）

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