日本とパラグアイの関係

日本とパラグアイの関係

日本とパラグアイは、遠く離れた国同士でありながら、深い繋がりを持つ国です。両国は共に国連と世界貿易機関（WTO）の加盟国であり、国際社会において協力関係を築いています。

歴史

両国関係の始まりは、1912年に佐幸田兼蔵がパラグアイに渡り、タンニン工場に勤務したことに遡ります。1919年には貿易協定が締結され外交関係が開設されましたが、第二次世界大戦中に一時断交。1942年にパラグアイが日独伊との外交関係を破棄、1945年には日本に対して宣戦布告するに至りました。しかし、戦後の1951年にサンフランシスコ講和条約が締結され、1953年には両国間の関係が再開されました。

国交再開後、日本はアスンシオンに、パラグアイは東京にそれぞれ大使館を設置しました。1936年から1959年にかけて、約1万人の日系人がパラグアイに移住しました。1953年には日芭拓殖組合が、1959年からは日本海外移住振興会社が、パラグアイ南部での日本人入植を支援しました。これらの移民地は現地の農業発展に貢献し、パラグアイ政府と日本政府は1959年に移民協定を締結。85,000人の移民受け入れに合意しましたが、実際の移民者は約7,000人にとどまりました。1989年には、移民協定が無期限延長されています。

1954年にクーデターで政権を握ったアルフレド・ストロエスネル大統領は、日系社会に非常に友好的な態度を示しました。ストロエスネル大統領は日本の明治維新と戦後復興に強い関心を持ち、1972年には日本を訪問しています。また、自身の誕生日が明治天皇と同じであることから「明治天皇の生まれ変わり」と自称していたという逸話も残っています。

近年の関係

2011年の東日本大震災発生時には、日系パラグアイ人農家を中心に「100万丁豆腐プロジェクト」が立ち上がり、日本へ大豆や加工費が支援されました。また、原発事故の影響でパラグアイへ移住する日本人も増加しています。

2021年には、秋篠宮文仁親王と眞子内親王がパラグアイ政府から国家功労勲章を授与されました。これは、両殿下が過去にパラグアイを公式訪問したこと、また日本人のパラグアイ移住85周年にあたり、両国の友好関係に貢献したことが評価されたものです。

要人往来

2016年には、眞子内親王がパラグアイで開催された日本人移住80周年式典に出席しました。

2018年には、日本の総理大臣として初めて安倍晋三がパラグアイを訪問し、マリオ・アブド・ベニテス大統領と会談しました。会談では、医療機器の供与やインフラ協力などが合意されました。また、安倍総理は現地の日系パラグアイ人に対し、「日本とパラグアイは地理的な距離は遠く離れているが、心は近くに感じることができる」と呼びかけました。

外交使節

日本はパラグアイに大使を派遣しており、パラグアイも日本に大使を派遣しています。また、エンカルナシオンには日本の領事事務所も設置されています。

その他

パラグアイには、日系パラグアイ人のコミュニティが存在し、彼らは両国の架け橋として重要な役割を果たしています。

関連項目

日系パラグアイ人
駐日パラグアイ大使館
在パラグアイ日本国大使館、在エンカルナシオン領事事務所
日本の国際関係
パラグアイの国際関係
日本とラテンアメリカの関係
NIHON GAKKO - 三育学院・サクラ日本教育学院
ラ・コルメナ - パラグアリ県にある日本人移民の入植地
日本パラグアイ学院 - パラグアイにある日本の教育を取り入れた私立学校

外部リンク

パラグアイにおける日本人移住の歴史

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