日本子どもを守る会

日本子どもを守る会について

日本子どもを守る会は、日本国憲法、児童憲章、そして国連・子どもの権利条約の精神に則り、日本の子どもたちの健やかな成長と幸福の実現を目指す社会運動団体です。この団体は、子どもたちを守り育てるための様々な運動と連携し、「健全な児童文化の創造と普及」に向けて、多岐にわたる取り組みを展開しています。

設立の背景と初期の活動

1952年5月17日、児童憲章制定の翌年に衆議院会館で発足しました。当時の朝鮮戦争の影響で、米軍基地周辺に住む子どもたちの教育環境が悪化しており、この状況を憂慮した学生、研究者、市民団体、文化団体、労働組合関係者などが、思想や信条の違いを超えて集まりました。彼らは、子どもの人権と平和を守るための国民的な運動を推進しました。

特に、子どもたちを結核から守る運動や、原爆記念日における平和運動に積極的に取り組みました。また、武蔵野市での米軍宿舎建設反対運動では、1952年8月17日に抗議大会を開き、当時の吉田茂首相や衆参両院議長、武蔵野市長らに決議文を送付しました。結果として、米軍宿舎は建設されましたが、その後取り壊され、現在は存在しません。

長年にわたる活動

1964年には『子ども白書』を創刊し、緑星社、草土文化、本の泉社、かもがわ出版と版元を変えながらも、現在まで刊行を続けています。2002年には創立50周年を迎え、これまでの活動をまとめた記念誌『花には太陽を子どもには平和を』を新評論から出版しました。

基本目標

この団体の基本目標は以下の通りです。

1. 児童憲章と国連・子どもの権利条約の実現を目指し、国民的な運動を起こす。
2. 日本国憲法の精神に基づき、子どもたちを戦争から守る。
3. 子どもの幸福を妨げる悪い環境や条件を取り除く。
4. 子どもたちが自ら強く正しく明るく成長する力を養うように支援する。
5. 各々の立場から、愛情、知識、技術をもって、子どもたちの幸福を追求する。

年間活動

会は、年間を通して以下のような活動を行っています。

『子ども白書』、『児童問題研究』の発行。
毎月『子どものしあわせ』、『子どもを守る』を発行。
1953年以降、「子どもを守る文化会議」を全国各地で開催。
6月には日本民間教育研究団体連絡会との合同集会、8月には「平和祈念集会」、9月には「31条のひろば」、10月には『子ども白書』刊行記念イベントを開催。
以前は、国連で子どもの権利条約が採択されたことを記念して、11月20日を中心に「子どもの人権デー」のイベントを開催し、冬季には児童の心身の問題についての「未来講座」を実施していました。また、付属の児童問題研究所も設置していました。

2021年には児童憲章70周年を記念し、《児童憲章を忘れない》及び《その完全実現を掲げ続けてきたのが日本子どもを守る会》として運動を行い、子どものしあわせブックレット『忘れていませんか？児童憲章』を発刊しました。

社会への声明

近年では、様々な社会問題に対して声明を発表しています。

2020年には、小中高校・特別支援学校の一斉休校を憂慮する声明、学術団体の自律性に関する声明、核兵器禁止条約に関する声明を発表。
2021年には、少年法改正案への懸念声明、オリンピック・パラリンピックへの子どもの動員に反対する声明を発表。
2022年には、ウクライナの戦争に反対する声明を発表。
2023年には、パレスチナ（ガザ）の子どもの被害に関連する声明を発表。

また、教育基本法の改正に対して、同法を学校や社会に生かすことを求める署名を文部科学省に提出する活動にも参加し、「教育基本法は改悪でなく、生かしてほしい」という要請を行いました。

歴代会長

初代：長田新（1952年 - 1958年）
2代：羽仁説子（1958年 - 1988年）
3代：大田堯（1988年 - 1997年）
4代：中村博（1997年 - 2004年）
5代：中野光（2004年 - 2006年）
会長代行：正木健雄（2006年 - 2009年）
6代：正木健雄（2009年 - 2015年）
7代：髙橋栄（2015年 - 2020年）
8代：増山均（2020年 - ）

機関誌

会員月刊紙『子どもを守る』
月刊誌『子どものしあわせ』 - 1955年創刊
年刊誌『子ども白書』 - 1964年創刊

関連事項

児童憲章
原爆の子〜広島の少年少女のうったえ
小森香子
児童の権利に関する条約
悪書追放運動
* 有害図書


日本子どもを守る会は、設立以来、子どもたちの権利を守り、より良い社会を築くために、多岐にわたる活動を続けています。

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