日本橋室町三井タワーとは？意味をやさしく解説

日本橋室町三井タワー

日本橋室町三井タワーは、東京都中央区日本橋室町にそびえ立つ高層複合ビルです。このタワーは、オフィス、多目的ホール、そして魅力的な商業施設で構成されており、特に商業エリアは「COREDO室町テラス」という名前で親しまれています。

日本橋再生計画の象徴

1990年代後半、金融・商業の中心地としての勢いを失いつつあった日本橋を再活性化するため、三井不動産は創業の地である日本橋エリアで「日本橋再生計画」をスタートさせました。この計画の中で、日本橋室町三井タワーは、一連の再開発プロジェクトにおける重要な旗艦プロジェクトとして位置づけられています。日本橋一丁目三井ビルディング（COREDO日本橋）、日本橋三井タワー、室町東三井ビルディング（COREDO室町1）、室町古河三井ビルディング（COREDO室町2）、室町ちばぎん三井ビルディング（COREDO室町3）に続く、再生計画の第二ステージを飾る重要な存在です。

立地と課題解決

タワーは、中央通りと江戸通りの交差点という交通至便な場所に位置しており、東京メトロ三越前駅やJR新日本橋駅に隣接しています。しかし、再開発前は、旧耐震基準の建物が多数存在し、建物の老朽化やバリアフリー動線の未整備、地下歩行者環境の不備など、地域防災や活性化の観点から様々な課題を抱えていました。

この再開発では、地区内を縦断していた区道を廃止して大街区化を図り、南側には広大な緑地広場を整備。さらに、国土交通省が推進する日本橋都市再生事業の一環として、三越前駅と新日本橋駅を結ぶ地下歩道の拡幅工事も行われました。また、災害対策として、建物内には大規模なコージェネレーションシステムが導入され、発電と排熱利用により、周辺地域への電力供給と熱供給を行っています。

再生計画の本格移行

日本橋室町三井タワーの開業を機に、三井不動産の再生計画は第三ステージへと本格的に移行しました。今後、数千億円から1兆円規模の投資を行い、2035年から2040年を目処に、日本橋川沿いに商業施設、広場、オフィス、宿泊施設などを整備していく予定です。このタワーは、第62回BCS賞も受賞しており、そのデザインと機能性が高く評価されています。

施設構成

COREDO室町テラス

地下1階から地上2階にかけては、「価値ある時間を過ごす場所」をコンセプトとした商業施設「COREDO室町テラス」が展開されています。31の店舗が集まり、地域住民、オフィスワーカー、そして訪れる人々が交流する場となることを目指しています。南側には、大きな庇が特徴的な約1500平方メートルの緑地広場が設けられ、ベンチやテーブル、大型ビジョンが設置されています。

核テナントとして、台湾発の「誠品生活日本橋」が日本初出店。三井不動産と誠品股份有限公司の合弁会社である誠品生活MFが運営し、有隣堂がライセンシーとして事業を担っています。また、広場に隣接して、「石屋製菓」が道外初の直営カフェ「ISHIYA NIHONBASHI」をオープンしています。

室町三井ホール&カンファレンス

3階には、面積373平方メートル、最大収容人数約420人の多目的ホールと、3つのカンファレンスルーム、ホワイエが設けられています。様々なイベントや会議に対応可能な施設です。

オフィスフロア

5階にはスカイロビー、緑豊かなスカイテラス、テナント専用の無料ラウンジが設置されています。また、ほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行と北海道銀行が共用のエントランスとATMを設け、東京支店も同フロアに構えています。

7階から25階がオフィスフロアです。全方位の眺望を確保できる奥行約20メートルの専有部が、中心のコアを囲むように配置されたセンターコア式の平面形状を採用しています。ウーブン・バイ・トヨタ、ボストン・コンサルティング・グループ、西本Wismettacホールディングス、三井不動産、三井不動産レジデンシャルなどの企業がオフィスを構えています。さらに、7階には日本橋室町三井タワーミッドタウンクリニックも入居しています。

主なテナント

- 23F-25F: ボストンコンサルティンググループ
- 16F-20F: 株式会社TRIAD
- 12F: 三井不動産株式会社

日本橋室町三井タワーは、その先進的な設計と機能性により、日本橋エリアの新たなランドマークとして、地域に活力を与える存在となっています。

参考文献

- 『レジャー産業資料』総合ユニコム、2019年11月
- 『近代建築』近代建築社、2020年3月

外部リンク

もう一度検索