日本都市ファンド投資法人

日本都市ファンド投資法人：商業施設に特化したJ-REITの変遷

日本都市ファンド投資法人は、東京都千代田区に拠点を置く、東証上場不動産投資信託（J-REIT）です。かつては「日本リテールファンド投資法人」として知られており、その歴史は2002年3月12日にまで遡ります。商業施設に特化したリートとして初上場を果たし、設立当初から現在まで、着実な成長を遂げてきました。

設立とイオングループとの深い関係

三菱商事とUBS Asset Management AGの共同出資により設立された同法人は、当初は三菱商事と深い関係を持つイオングループのショッピングセンターを中核とした資産運用を行っていました。これはイオングループの効率的な資産運用や資金調達、そして急速な店舗展開を支える重要な役割を果たしました。イオンモールやイオンショッピングセンター、特に三菱商事との共同出資事業であった旧ダイヤモンドシティの店舗を中心に、多くの資産を保有しています。

しかし、イオングループへの依存度が高いことによるリスク分散の課題も指摘されていました。この問題を意識し、同法人は競合するイトーヨーカ堂系の物件も取得するなど、ポートフォリオの多様化を図ろうとしてきました。 ただし、それらの物件はダイヤモンドシティ（後にイオンモールと合併）への委託運営が中心でした。 また、例外として髙島屋のグループ企業と共同運営していた福岡市の物件なども存在しますが、ならファミリー（近鉄百貨店との合弁、現在は近鉄百貨店が営業を継続）やイオンタウンなど、イオングループ関連物件への投資比率は依然として高く、リスク分散の観点からは改善の余地がありました。

合併とスポンサー交代による変革

2021年3月1日には、MC[[UBS MidCity投資法人]]を吸収合併し、資産規模は1兆円を超える規模に成長しました。この合併を機に、現在の名称である「日本都市ファンド投資法人」へと商号を変更しました。さらに2022年4月28日には、KKRがスポンサーとなり、資産運用会社は「三菱商事・ユービーエス・リアルティ」（MCUBS）から「KJRマネジメント」へと変更されました。このスポンサー交代は、同法人の更なる発展に向けた重要な転換点と言えるでしょう。

主要物件と事業展開

同法人は、日本全国に広がる商業施設を保有しています。旧日本リテールファンド投資法人時代からの主要物件としては、イオンモール札幌発寒、イオンモール札幌苗穂、イオン板橋ショッピングセンター、西友ひばりヶ丘店、イオンモールむさし村山、イオンモール大和、mozoワンダーシティ、イオンモール鶴見緑地、イオン高槻店、京都ファミリー、ならファミリー、イオンスタイル大津京、イオンモール伊丹、イオンモール神戸北、イオンモール東浦、イオン八事店、イオンタウン大垣、イオン那覇ショッピングセンターなど、数多くのイオン系列ショッピングセンターが含まれています。その他、ジャイル（旧：表参道ビブレ）、エスパ川崎店・エスパ川崎アネックス、あびこショッピングプラザ、おやまゆうえんハーヴェストウォーク、アリオ鳳、JMFビル阿倍野01なども保有しています。また、MC[[UBS MidCity投資法人]]からの物件も引き継いでおり、ツイン21、MID今橋ビル、北浜MIDビル、MID西本町ビル、肥後橋MIDビル、名古屋ルーセントタワー（匿名組合出資持分）などもその一例です。 近年は、日神プライベートレジリート投資法人やフージャースプライベートリート投資法人の投資口も保有するなど、投資対象の多様化も進めています。

沿革

2001年9月14日：日本リテールファンド投資法人として設立
2002年3月12日：東京証券取引所に上場
2010年3月1日：ラサール ジャパン投資法人を吸収合併
2021年3月1日：MC[[UBS MidCity投資法人]]を吸収合併、日本都市ファンド投資法人に商号変更
* 2022年4月28日：資産運用会社の株式がKKRに譲渡され、商号が「三菱商事・ユービーエス・リアルティ」から「KJRマネジメント」に変更

今後の展望

日本都市ファンド投資法人は、KKRを新たなスポンサーに迎え、資産運用会社も刷新されました。今後の事業展開においては、これまで培ってきた商業施設への投資ノウハウを活かしつつ、更なるポートフォリオの多様化とリスク管理の強化、そして安定的な収益の確保を目指していくものと予想されます。

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