日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派

日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派（革マル派）

概要

日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派（以下、革マル派）は、1962年の日本革命的共産主義者同盟（革共同）の第三次分裂を契機に結成された新左翼組織です。黒田寛一を理論的指導者とし、「反[[帝国主義]]・反スターリン主義」を掲げ、独自の革命戦略を追求してきました。警察白書では「極左暴力集団」、マスコミでは「過激派」と表記されることも多いです。

歴史

革マル派は、革共同の幾度かの分裂を経て誕生しました。1957年の革共同結成、1958年の第一次分裂、1959年の第二次分裂、そして1963年の第三次分裂という歴史的経緯を踏まえ、革マル派は独自の路線を歩んできました。当初は「日本革命的共産主義者同盟全国委員会・革命的マルクス主義派」を名乗っていましたが、後に現在の名称に改称しました。学生組織としてはマルクス主義学生同盟（マル学同）革マル派が存在します。革マル派の離脱後、革共同全国委員会派は中核派となりました。

革マル派は当初、黒田寛一を中心とした小規模な学習会から始まりました。その思想は、帝国主義とスターリン主義の同時打倒、そしてプロレタリア世界革命の実現という壮大な目標を掲げています。象徴的な存在として、白地に赤の縁取り、前面に黒字で「Z」（全学連の略称）が書かれたヘルメットが挙げられます。

思想

革マル派の基本思想は「反[[帝国主義]]・反スターリン主義」です。現代世界の階級関係を資本主義と国際共産主義運動の腐敗という二重の視点から捉え、ソ連社会を官僚主義的疎外形態と規定します。そのため、革命においては資本主義国家権力とスターリニスト党組織の同時打倒が必要不可欠だと主張しています。

革マル派は、革命の時期を遠い未来と予測し、組織の密かな拡大と維持に重点を置く戦略を取ってきました。中核派とは「反帝・反スターリン主義」という共通の革命戦略を掲げながらも、その解釈や適用方法において大きな違いがあります。革マル派は中核派を大衆運動主義への堕落、街頭行動主義の自己目的化と批判する一方、中核派からは思想の閉鎖的ドグマ化、階級運動との断絶を指摘されています。

組織と活動

革マル派の構成員数は2017年時点で約5500人と推定されています。公然拠点として東京・早稲田に解放社本社、全国各地に支社などを設置していますが、非公然のアジトも存在すると考えられています。機関紙として週刊『解放』と隔月刊『新世紀』を発行し、かつてはこぶし書房を経営していましたが、現在はKK書房を傘下に置いています。

革マル派は、1960年代の学生運動や成田空港建設反対闘争には積極的に関与せず、他の新左翼勢力と敵対関係にありました。特に東大紛争における「兵力温存」による戦線離脱は、他の新左翼から強い批判を招きました。その後も中核派との間で内ゲバ事件を繰り返すなど激しい対立がありましたが、近年は沈静化しています。

近年は暴力性を抑え、組織拡大に重点を置いた活動を行っています。大学や労働組合への浸透を図り、街頭活動においても派閥名を隠して活動するケースが増えています。

他党派との関係

革マル派は、日本共産党、中国[[共産党]]、ソ連共産党などを「スターリニスト」と断定し、厳しく批判しています。一方で、日本共産党は革マル派を「ニセ左翼暴力集団」とみなしています。中核派とは激しく対立し、内ゲバや相互非難を繰り返してきました。「権力謀略論」を展開し、様々な事件を権力の陰謀と解釈する傾向がありました。自民党、社会党、民主党などとも様々な形で関係を持つ一方、批判を浴びることも少なくありません。

大学・労働組合への浸透

革マル派は、大学や労働組合への浸透を図り、影響力を保持しています。早稲田大学、國學院大學、愛知大学、名古屋[[大学]]、琉球大学などを中心に学生自治会やサークルに影響力を持つとされます。また、JR総連、JR東労組など主要な労働組合にも浸透しているといわれています。

近年の動向

2006年の黒田寛一の死去後、革マル派は理論的開拓が停滞していると言われています。2019年には、思想統制などを批判するグループが分派を宣言し、「革共同第四次分裂」と名付けられました。

まとめ

革マル派は、独自の思想と戦略に基づいて、長年にわたって活動してきた新左翼組織です。その歴史、思想、組織、活動、他党派との関係、大学や労働組合への影響など、多角的な視点から理解することが重要です。近年は活動様式を変えつつも、依然として社会に一定の影響力を持つ存在であることは間違いありません。

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