日産・キャブオール

キャブオール（Caball）

キャブオールは、日産自動車がかつて生産していた中型および小型トラックの一種であり、その特異性から多様な用途で利用されてきました。特に、警察車両や消防車などといった特装車両のベースとして広く用いられ、自衛隊にもトラック3/4t 4×4 / 4×2として特装仕様が納入されるなど、重要な役割を果たしていました。このため、海上自衛隊では現在でも「キャブオール」という名称がトラック3/4t 4×4 / 4×2の通称として使用されています。

歴史

初代（1957年-1966年）

キャブオールの歴史は1957年12月に始まりました。この時、日産自動車は初のキャブオーバー型トラックであるC40型系を市場に投入しました。このモデルは、同じシャシを使用していたB40型系ジュニアと共通しています。そして1960年4月にマイナーチェンジを行い、C140型系にモデル名が変更されました。

2代目（1966年-1976年）

1966年8月にはフルモデルチェンジが行われ、2代目となるC240型系が登場しました。このモデルでは、ヘッドランプの数が4灯に変更され、同時期にモデルチェンジした2代目エコー（GC240型系）と共有のランプベゼルが採用されました。1973年には2度目のマイナーチェンジが行われ、ラジエーターグリルやフロントコンビネーションランプのデザインが見直されました。

3代目（1976年-1981年）

そして、1976年5月にはフルモデルチェンジされた3代目C340型系が登場します。このモデルは、前モデルのデザインを受け継ぎつつも、全体的に丸みを帯びた形状に改良され、三角窓が廃止されました。また、3代目よりルートバンが廃止され、トラックのみのラインアップとなりました。

1978年には一部改良が施され、小径ダブルタイヤを採用したスーパーローという標準ボディー車が新たに追加されました。1979年9月にはマイナーチェンジが実施され、昭和54年の排出ガス規制に適合。この際に、メーカーズプレートのデザインも更新されました。801年6月には、3,300 ccのED33型ディーゼルエンジンが新しく追加され、冷間時の始動性向上策としてオートグローとアフターグローが装備されました。また、安全対策の一環として、ロングボディー車にセーフティーウインドウが追加され、一部モデルには排気ブレーキオプションも設定されました。

1981年12月、キャブオールはクリッパーと共に新型トラック『アトラス』へと統合され、販売は終了しました。

関連項目

• - 日産・アトラス
• - プリンス・クリッパー
• - 日産ディーゼル・バイソン
• - 日産・エコー（キャブオールを基にしたマイクロバス、後にシビリアンに名称変更）

キャブオールは、日本の自動車史において特異な存在感を持ち、様々な用途に応じた柔軟性で多くのユーザーに支持されてきたのです。

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