旭川中央交通

旭川中央交通株式会社

旭川中央交通株式会社は、北海道旭川市に本社を構える、タクシー、バス、および介護事業を運営する企業です。地域における交通インフラの一翼を担うとともに、高齢化社会に対応したサービスも提供しています。

沿革

同社の歴史は、1965年（昭和40年）4月に「旭川中央ハイヤー株式会社」として創業したことに始まります。その後、事業の多角化を進め、サービス内容を拡充していきます。

1988年（昭和63年）2月には、グループでの移動など多人数での利用に対応するため、ジャンボハイヤーの運行を開始。同年11月には、福祉車両を導入し、移動に支援が必要な方々のためのサービスをスタートさせました。翌1989年（平成元年）4月には、観光や特別な用途向けの大型車両として、トヨタ・センチュリーの運行を開始し、タクシーサービスの幅を広げました。

1991年（平成3年）には、観光ニーズに応える形で貸切観光バス事業に参入。地域の観光振興にも寄与する事業を展開します。

2013年（平成25年）には、地域住民の交通手段確保という観点から、旭川電気軌道の一部路線廃止に伴う代替交通として、乗合タクシー事業を開始しました。さらに2017年（平成29年）には、この乗合タクシーを活用し、佐川急便と連携した貨客混載事業を全国に先駆けて開始。過疎地域における物流の課題解決にも貢献する先進的な取り組みとして注目されています。

そして、2018年（平成30年）に社名を現在の「旭川中央交通株式会社」へと変更し、タクシー・バス以外の事業も包含する名称となりました。

事業内容

同社は、タクシー事業、乗合タクシー事業、貸切バス事業、そして介護事業を展開しています。

タクシー事業

一般のタクシーに加え、多様なニーズに対応しています。観光客向けの大型車両を導入しているほか、旭川市消防本部から第1号の民間患者搬送車両として認定を受け、緊急性の低い患者様の移送業務も行っています。これにより、一般の移動から福祉的な移送まで、幅広い輸送サービスを提供しています。

保有車両としては、小型車としてトヨタ・コンフォート（39台）やトヨタ・ジャパンタクシー、日産・バネット（4台）があります。また、多人数利用向けのジャンボタクシーとしてトヨタ・ハイエース（9人乗り、2台）を保有。さらに、福祉車両としてトヨタ・ハイエースロング（1台）、トヨタ・ハイエーススーパーロング（2台）、日産・キャラバン（1台）を備え、移動が困難な方の利用を支援しています。民間救急車両としては、トヨタ・グランビアメディック（1台）とトヨタ・ハイエースロング（2台）を運用しています。

乗合タクシー事業

2013年10月、旭川電気軌道バス路線（43 米飯線）の廃止に伴う代替として、東旭川区域で乗合タクシー「のり。タク米飯線」の運行を開始しました。これは東旭川駅周辺と米飯（ぺーぱん）地区を結ぶ地域公共交通です。2017年11月1日からは、佐川急便と連携し、この乗合タクシー車両を活用して、地域における貨物の個別配送を行う貨客混載事業を全国に先駆けて実施しています。この事業は、高齢化やドライバー不足が進む地域での物流維持に貢献するモデルケースとなっています。

貸切バス事業

1991年に事業に参入しました。観光や団体の送迎など、様々な用途で利用されています。安全への取り組みとして、2013年9月19日には、日本バス協会が定める貸切バス安全性評価認定制度（セーフティバス）において、安全評価の高い事業者を示す「1ツ星」の認定を取得しています。

保有車両には、大型バスとして三菱ふそう・エアロクイーン、エアロクイーンⅡ、エアロなどが、小型バスとして三菱ふそう・エアロミディなどがあります。

介護事業

同社は、移動支援だけでなく、高齢者向けの生活支援サービスも提供しています。具体的には、夜間対応型訪問介護サービスや、サービス付き高齢者向け住宅の運営を行っており、地域の高齢者が安心して暮らせるよう多角的にサポートしています。

事業所

旭川市内に複数の事業所を展開しています。

本社: 北海道旭川市緑町14丁目
本社営業所: 北海道旭川市緑町15丁目
千代田営業所: 北海道旭川市東光1条5丁目
アクトバス営業所: 北海道旭川市緑町14丁目
* 指定居宅介護事業所: 北海道旭川市東光15条3丁目6番10号

旭川中央交通株式会社は、タクシー・バスを基盤としながら、時代の変化や地域のニーズに合わせて事業を拡大し、移動手段の提供に加えて物流や介護といったサービスを展開することで、地域社会の発展と住民生活の質の向上に貢献している企業です。

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