明石町 (東京都中央区)

明石町について

明石町（あかしちょう）は、東京都中央区にある地名で、旧京橋区に属する京橋地域内の独立した町名です。この場所は郵便番号104-0044で知られています。隅田川の西岸、隣接する湊とともに「鉄砲洲」とも俗称され、広い意味では築地エリアに含まれることもあります。また、聖路加国際病院が位置しており、区の関連施設も数多く存在しています。

地理

明石町は京橋地域の東端にあり、隅田川に隣接しています。河川に架かる佃大橋を利用することで交通の利便性が高まっています。

歴史

江戸時代

江戸時代には、明石町は明石橋の東側に狭小な地域として設けられていました。当時は周辺に町人街や武家地が混在しており、この地域には赤穂事件で名を馳せた赤穂藩浅野家の藩邸が存在しました。さらに中津藩奥平家の中屋敷では、蘭学の礎となる解体新書が前野良沢らの手により完成し、蘭学事始めの地としても知られています。この地点は1858年には福澤諭吉が慶應義塾の前身となる蘭学塾を設立した場所です。

明治期

1869年には築地居留地が設置され、文明開化の中心的なエリアとなりました。その際、運上所で日本初の公共電信の敷設が行われ、電信創業の地としても名を知られています。また、イギリスの宣教師であるヘンリー・フォールズが滞在中に指紋の研究を行ったことから、指紋研究の発祥地ともされています。明石町周辺は慶應義塾のみならず、立教大学や明治学院など多くの大学の発祥地にもなっています。

その後

1899年に居留地が治外法権の撤廃に伴い廃止されましたが、聖路加国際病院等、西洋に由来する施設は残り、居留地時代の特徴を色濃く保存しています。1945年の東京大空襲では、聖路加国際病院のおかげで周辺地域は大きな被害を免れました。戦後はGHQによって近隣の建物が接収され、1968年には入船町三丁目の一部が編入されることで現在の町域が形成されました。さらに平成には聖路加ガーデンなどのウォーターフロント開発も進められました。

町名の由来

明石町の名は、播磨国明石から移住した漁師たちに由来するとも言われています。また、当地を明石浦に見立てた説も存在し、いずれにせよ兵庫県明石市がそのルーツです。

社会

2019年9月1日時点での世帯数は不詳ですが、教育においては聖路加国際大学や区立明石小学校、明石町幼稚園などの施設が整備されています。また、京橋消防署の築地出張所がこの町内にあります。

観光名所

明石町を訪れる際には、浅野内匠頭の邸跡や鉄砲洲川跡など、歴史的な名所も多く、観光スポットとしても魅力的です。加えて、東京都道473号新富晴海線や都営バスの近くにアクセスでき、多くの交通手段が利用できます。

おわりに

明石町は、東京都内でも特に文化的、歴史的価値の高い地域であり、教育や医療の面でも重要な役割を果たしているエリアです。

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