聖路加ガーデン

聖路加ガーデン：隅田川沿いのランドマーク

聖路加ガーデンは、東京都中央区明石町にそびえ立つ2棟の超高層ビルから構成される複合施設です。隅田川に沿って建ち並ぶ、都心の美しい景観を形成するランドマークとして知られています。オフィス、レジデンス、ホテル、そして医療関連施設など、多様な機能を統合したこの複合施設は、1994年の竣工以来、地域社会に貢献し続けています。

聖路加国際病院の再開発計画から生まれた複合施設

聖路加ガーデンの建設は、聖路加国際病院の老朽化した旧病院建替計画に端を発します。「全人医療」という理念を基に、あらゆる世代の人々に質の高い医療を提供するための拠点として、1985年に「聖路加ライフサイエンスセンター構想」が策定されました。この構想に基づき、聖路加国際病院、聖路加看護大学（現聖路加国際大学）、ケアレジデンス、スポーツクラブ、ホテル、そして賃貸オフィスなどを含む大規模な再開発プロジェクトが進められました。

約4万㎡の敷地は3つの街区に分割され、計画的に開発が進められました。第一街区には、歴史的建造物として保存された旧病院の礼拝堂や、病院創設者ルドルフ・トイスラー記念館が移築復元されました。第二街区には、新病院が建設され、そして第三街区に聖路加ガーデンが位置づけられました。この超高層化を実現できたのは、都市計画法に基づく特定街区への指定と、各街区の容積率の再配分によるものです。

多様な事業主と革新的な借地権活用

聖路加ガーデンの事業主は、三井不動産、日本生命保険、東急不動産、松下興産（現：経営破綻）、藤和不動産（現：三菱地所レジデンス）の5社（開業時）です。地権者である聖路加国際病院との間で、50年間の一般定期借地権契約が締結され、都心商業地における定期借地権活用の先駆けとして注目されました。当初はサブリースによる運営が予定されていましたが、バブル経済崩壊後の事業環境変化を受け、竣工直前の1994年4月から、事業主が出資するエスエルタワーズが運営・管理を行うこととなりました。

連結されたツインタワーの洗練されたデザイン

聖路加ガーデンは、オフィス棟とレジデンス棟を一体的に設計されたツインタワーとして設計されています。隈切りとセットバックを効果的に用いたデザインは、陰影のある洗練された外観を創り出しています。低層部のアトリウム（大屋根広場）と高層部を繋ぐブリッジは、両棟の機能的な連携を図り、特徴的なシルエットを形成しています。ブリッジはオフィス棟のエレベーター乗り換え階とホテルのラウンジ、レストラン街を繋ぎ、オフィス棟から地上を経由せずにホテル施設を利用できるようになっています。また、隅田川沿いには、明石町河岸公園が整備され、周辺環境の充実にも貢献しています。

聖路加セントルークスタワー：オフィスと眺望

聖路加セントルークスタワーは、オフィス棟として、3階から46階まで広大なオフィス空間を提供しています。かつて電通の多くの部署がここに拠点を置いていましたが、汐留シオサイトへの本社移転に伴い撤退しています。屋上には、日本テレビ放送網とフジテレビジョンがお天気カメラを設置しています。また、28階には銀座クレストン32階への連絡ブリッジがあり、一般客も利用可能です。

主な入居企業には、三機工業、山下PMC、エヌディーキューブなどがあります。エレベーターは、オフィス用が5バンク設置され、日立製と東芝製が混在しています。

聖路加レジデンス：高品質なシニア向けレジデンス

聖路加レジデンスは、1階から31階まで、175戸のシニア向けケアレジデンスとして運営されています。70歳から79歳を主な入居対象とし、高額な保証金と入会金、そして20年間分の前払費用を一括で支払うシステムとなっています。4階には、付帯医療施設である聖路加クリニックも設置されています。

銀座クレストン：洗練されたホテル

銀座クレストンは、32階以上に位置するホテルです。専用のエントランスとフロントを備え、総客室数93室のホテルは、HMIホテルグループが運営しています。かつては阪急ホテルズ（現：阪急阪神ホテルズ）の東京新阪急ホテル築地として開業していましたが、2013年にHMIに営業譲渡されました。

多様な施設とアクセス

聖路加ガーデンには、レストラン、サービス、クリニックに加え、47階にはスカイレストラン（展望室は2010年7月閉鎖）も併設されています。アクセスは、東京メトロ日比谷線築地駅、有楽町線新富町駅、都営地下鉄大江戸線築地市場駅、月島駅から徒歩圏内です。また、東京駅八重洲口からのバス路線や、首都高速中央環状線銀座出入口からもアクセス可能です。

聖路加ガーデンは、単なる複合施設を超え、医療、福祉、ビジネス、そして生活の質を高めるための多様な機能を統合した、都心の重要な拠点となっています。その存在は、隅田川沿いの美しいスカイラインを彩り、未来へと続く発展を象徴する場所と言えるでしょう。

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