春木川 (大阪府)

春木川（はるきがわ）

春木川は、大阪府岸和田市内を流れる、大阪府が管理する二級河川です。上流部は轟川（とどろきがわ）と呼ばれています。

流域

春木川は、岸和田市北阪町の神於山（標高295メートル）に源を発し、市内の山間部を北へ流れます。尾生町で北西に流れを変え、大阪湾へと注ぎます。流域全体が岸和田市内に位置し、流域面積は14.4平方キロメートル、流路延長は約10.0キロメートルです。二級河川指定区間はそのうち5.7キロメートルとなっています。水源である神於山は、和泉葛城連山の前山にあたります。春木川が形成する浸食谷は、尾生谷（おぶだに）と呼ばれています。

流域の町名・大字を上流から順に列挙します（全域が岸和田市内）。

北阪町
三ヶ山町
尾生町
額原町
西之内町
加守町
春木泉町
下野町

環境と治水

春木川流域は、過去に何度も水害に見舞われています。特に、1950年のジェーン台風では高潮により甚大な被害が発生しました。その後も、集中豪雨や台風により浸水被害が相次ぎました。これらの被害を受け、河口部を中心に改修工事が行われ、1991年に完了しました。

地域活動

地域住民による「春木川・轟川をよくする市民の会」が1996年に設立され、源流から河口までの一斉清掃などの活動に取り組んでいます。地域住民の努力によって、河川の環境美化が保たれています。

歴史

春木川流域には、弥生時代から人々が住み始め、川の水を利用した水田耕作が行われてきました。流域には久米田古墳群などの遺跡が多く残っています。水田開発が進むにつれて、久米田池や蜻蛉池のような溜池が多く造られました。久米田池は府内最大規模の溜池で、8世紀に聖武天皇が行基に命じて建造させ、その守護のために久米田寺が開かれました。久米田池の水は春木川に流れ込んでいます。

戦国時代の久米田の戦いでは、春木川が戦いの舞台となりました。

近世には、流域の各村が成立しました。近代になると、河口付近に工場が建設され、工業地帯としての性格を帯びるようになりました。

第二次世界大戦後、河口付近を中心に市街地化が進行し、川沿いには公共施設や病院などが建設されました。

交通

春木川と交差・並行する主な道路・鉄道を上流から列挙します。

大阪外環状線
大阪府道230号春木岸和田線（中尾生橋）
大阪府道30号大阪和泉泉南線（上轟橋）
西日本旅客鉄道阪和線（下松駅）
第二阪和国道（春木川橋）
大阪府道227号和気岸和田線（大宮橋）
南海電気鉄道南海本線（春木駅）
大阪府道204号堺阪南線（春木橋）
紀州街道（永守橋）
大阪府道29号大阪臨海線

参考文献

『岸和田要鑑』、市制記念岸和田要鑑編纂所、1924年
『大阪 - その風土と生活』、大阪府高等学校地理研究会、二宮書店、1973年
『角川日本地名大辞典 27 大阪府』、角川書店、1983年

関連項目

岸和田市
大阪府の二級水系一覧
久米田寺

外部リンク

* 春木川水系河川整備基本方針 - 大阪府（2007年12月）

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