普光寺 (大牟田市)

普光寺の紹介

普光寺（ふこうじ）は、福岡県大牟田市に位置する天台宗山門派の寺院で、宇今山という山号を持ち、実成院という院号を有しています。本尊には千手観音が祀られており、九州西国霊場の第15番札所及び筑後三十三観音の24番札所としても知られています。この寺院は大牟田市内でも特に古い歴史を有する寺院の一つです。

歴史

普光寺の創建は823年（弘仁14年）に遡るとされる一説があります。伝えによれば、筑後国三池郡の郡司に任じられた嵯峨天皇の皇子が設立したことがその始まりとされています。その後、天台宗の僧である円仁（慈覚大師）が寺院として整えたと伝えられています。

歴史の流れの中で普光寺は盛衰を繰り返し、特に戦国時代には再興され、地元の領主などからの信仰を集めるようになりました。元和7年（1621年）には江戸幕府の代官である板倉重昌から亀も高5石、また今は高8石の寺地を安堵され、その後も延宝6年（1678年）に三池藩主の立花種長から20石の寺領を寄進されました。

文化財

普光寺には福岡県指定の文化財が多く存在しています。特に目を引くのは木造の薬師如来坐像や木造慈覚大師像、そして不動明王の板碑などです。これらは普光寺の歴史や文化的価値を感じさせる存在です。

木造薬師如来坐像

寄木造りの薬師如来坐像は1963年に修理が行われました。修理の過程で、頭部から胸部にかけては平安時代後期の藤原様式が認められましたが、その他の部分は鎌倉末期の補修がなされていることが分かりました。

木造慈覚大師像

薬師如来坐像と同じ時期に修理された木造慈覚大師像は、1429年（正長2年）に玉琳坊澄慶によって造立されたことが記されています。また、造立の際の理由として「普光寺が長らく荒廃していたため」との記録が残されています。

不動明王板碑

不動明王の板碑は、石工の藤原助継によって奉納されたもので、正確な年は不明ですが、彼の活動を考慮すると1345年から1350年の頃に造られたと推測されます。

臥龍梅

境内にある臥龍梅（がりゅうばい）は約450年の樹齢を誇る八重咲きの紅梅で、まるで伏せた龍の姿に見えることからその名が付けられました。推定の樹形は全長約28メートル、高さ約3メートルにも達し、1958年には福岡県の天然記念物に指定されています。毎年、開花時期には約1万人がその美しさを求めて訪れます。

交通アクセス

普光寺へのアクセスは、大牟田駅から西鉄バスの大牟田普光寺行き（10系統）に乗り、終点で下車後、徒歩約8分ほどです。また、九州自動車道南関インターチェンジからも約10キロメートルの距離に位置しています。

普光寺は、その歴史的背景や美しい文化財、さらには訪れる人々を魅了する臥龍梅など、見るべき価値がある魅力的な寺院です。

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