書根麻呂

書根麻呂の生涯と業績

書根麻呂（ふみ の ねまろ）は飛鳥時代に生きた歴史的な人物で、氏は文とされ、名は尼麻呂や祢麻呂とも表記されます。彼は、後に連および忌寸の姓を持つようになり、官位としては従四位下、左衛士府督を務めることになります。さらに、彼には子供となる馬養もいました。

出自について

書氏は、漢の高祖である劉邦の直系の子孫とされ、応神朝の時代に日本に渡った王仁の子孫として知られています。西文氏の宗家に属する書根麻呂の背景は、このように歴史的に重要なものでした。

壬申の乱での功績

672年に発生した壬申の乱では、書根麻呂は大海人皇子の舎人として参戦しました。この乱の初めに、大海人皇子は吉野宮を離れ、少数の家族や舎人とともに東へ向かいますが、中には書根麻呂も含まれていました。

無事に美濃国に到達した皇子は、兵を集め、7月に近江国に向けて部隊を二手に分けました。此の際、書根麻呂は近江に向かう部隊の将として彼ジョインし、数度の戦闘で勝利を収めます。特に、7月9日の鳥籠山や、13日の安河浜での戦いでは顕著な成果を上げ、最終的には近江大津京の近くでも敵を破ります。

乱の終息を迎えたのは、敵の指導者である大友皇子が自殺した後の日であり、書根麻呂の奮闘がもたらした影響は大きなものでした。

彼の位階とその後

書根麻呂の戦功により、天武天皇元年には彼も含め勲功者に位を加える動きがあり、彼はさらなる昇進を果たしたと考えられています。また、『続日本紀』では、彼が過去に100戸の封戸を受け取った記録が残されています。

その後、彼は文連の姓を賜ることとなり、最終的には左衛士府督の地位に就きます。706年には亡くなりますが、その時の位階は従四位下でした。皇室からの恩恵を受けることとなり、正四位上という名誉も与えられます。

墓と文化財

書根麻呂の墓は、江戸時代の1831年に奈良県の宇陀市で発見されました。その墓には火葬された遺骨がガラスの壺に納められ、さらには金銅製の壺に包まれていたことが分かっています。また、墓誌には書根麻呂の名前が記載されていました。

これらの出土品は、1952年には国宝に指定され、現在は東京国立博物館に保管されています。この時、彼の墓は国の史跡としても認定され、1984年には正式に指定されました。

まとめ

書根麻呂の生涯は、飛鳥時代の歴史を理解するうえで重要な要素を提供しています。彼の戦功や出自、そして遺された文化財は、後世にわたっても彼の影響力を物語るものとなっています。

もう一度検索