曹袞

曹袞（そう こん）

曹袞（生年不詳 - 235年）は、三国時代の魏の皇族であり、初代皇帝・曹操の息子の一人です。母は杜氏で、異母兄に魏の初代皇帝である曹丕がいます。また、同母兄には曹林がおり、同母妹には何晏の夫人となった金郷公主がいます。さらに、秦朗は異父兄にあたります。曹孚は彼の子です。

生涯

曹袞は、建安21年（216年）に平郷侯に封じられたのが記録に残る最初の事績です。しかし、翌年の建安22年（217年）には東郷侯に改封され、さらに同年のうちに賛侯へと再び改封されています。

曹丕が皇帝に即位すると、黄初2年（221年）に賛公に昇進しました。翌黄初3年（222年）には北海王に封じられます。この時、領内で瑞祥があったため、曹丕に上奏してその徳を称えたところ、黄金十斤を下賜されたと伝えられています。

黄初4年（223年）には賛王に、黄初7年（226年）には濮陽王に、それぞれ昇進・改封されました。太和2年（228年）には、自身の領国へと赴任しています。

太和5年（231年）の冬には入朝しましたが、禁令に違反する行為があったとされています。しかし、翌太和6年（232年）には中山王に封じられました。

青龍元年（233年）には、曹袞の所管の役人が彼の罪を上奏しましたが、曹叡（明帝）は曹袞の平素の行いを考慮するよう命じました。その結果、2つの県と750戸を削るに留められました。青龍2年（234年）には、曹袞の神妙な態度が評価され、削られた領邑が元に戻されています。

青龍3年（235年）の秋に病に倒れました。曹叡は医者を派遣し、見舞いの品を送るとともに、生母の杜氏や同母兄の曹林との面会を許可しました。病状が悪化すると、曹林に後事を託し、遺言を残して亡くなりました。諡は中山恭王です。

子の曹孚が跡を継ぎ、景初、正元、景元の各年間の間に何度か加増を受け、領邑は合わせて3400戸になったとされています。

人物

曹袞は、少年時代から学問を好み、十数歳にして優れた文章を記したと言われています。周囲の者は、彼が学問に熱心すぎるあまり病気になることを心配し、読書を控えるように忠告しましたが、彼は聞き入れませんでした。生涯に二万余字の文章を著したと伝えられています。その才能は兄の曹植には及ばなかったものの、よく張り合うほどであったとされています。

また、性格は穏やかで質朴であり、周囲の者が爵位の昇進を祝ったり、その善行を上奏すると、かえって驚き恐れたと言われています。自分の妻や愛妾たちにも機を織らせ、倹約に励むなど、質素な生活を送った人物として知られています。

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