有末次

有末次（ありすえ やどる）：激動の時代を駆け抜けた陸軍軍人

有末次（ありすえ やどる、1897年2月7日 - 1943年8月28日）は、日本の陸軍軍人であり、最終階級は陸軍中将です。北海道出身で、有末孫太郎（村長、京極農場支配人、屯田工兵大尉）の息子として生まれました。彼は、上川中学を経て、陸軍士官学校（31期）と陸軍大学校（41期）を卒業し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

軍歴と要職

有末は、参謀本部作戦班長や教育課長などの要職を歴任しました。1940年には関東軍作戦課長に就任し、ノモンハン事件後の関東軍の再建に尽力しました。彼は日米開戦には反対の立場をとり、1941年には大本営陸軍参謀部第20班長として戦争回避を訴えましたが、その努力は実を結びませんでした。

太平洋戦争開戦後は、第17軍高級参謀などを経て、1942年に第8方面軍作戦課長としてラバウルに赴任しました。1943年には陸軍少将、同方面軍参謀副長となり、今村均大将を補佐しました。

突然の死

1943年8月、有末は要務打ち合わせのため一時帰国し、ラバウルへ飛行機で戻る途中で事故により戦死しました。その死後、陸軍中将に特進しました。

年譜

1919年5月：陸軍士官学校（31期）卒業
1919年12月：砲兵少尉、野砲兵第7連隊付
1922年11月：陸軍砲工学校高等科（28期）卒業
1922年12月：砲兵中尉
1929年3月：砲兵大尉
1929年11月：陸軍大学校（41期）卒業
1929年12月：独立山砲兵第1連隊付
1930年12月：参謀本部付勤務
1931年12月：参謀本部員（作戦班）
1933年12月：イギリス駐在
1934年6月：イギリス大使館附武官補佐官
1934年8月：砲兵少佐
1936年6月：陸大教官
1937年5月：東南アジア出張
1937年8月：参謀本部員
1937年11月：砲兵中佐、大本営参謀
1937年12月：参謀本部作戦課作戦班長
1939年7月：参謀本部教育課長兼大本営参謀（教育課長兼研究班長）
1939年8月：砲兵大佐
1939年9月：関東軍高級参謀
1940年10月：参謀本部附、大本営参謀（第20班長、- 1942年1月19日）
1941年2月：兼軍令部員
1942年2月：香港占領地総督部参謀長
1942年11月2日：第17軍参謀
1942年11月9日：第8方面軍参謀（作戦課長）
1943年8月2日：陸軍少将、第8方面軍参謀副長
1943年8月28日：ビスマルク諸島付近で飛行機事故により戦死。翌日、陸軍中将に進級

親族

有末の妻は有末重代で、岡部重名（陸軍軍医大佐）の娘です。長兄は有末精三（陸軍中将）、弟は有末四郎（陸軍軍医大尉）です。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

有末次は、激動の時代を駆け抜けた陸軍軍人であり、その生涯は日本の近代史における重要な一部分を物語っています。

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