有毛目

有毛目（Pilosa）についての詳しい解説

概要

有毛目（ゆうもうもく、Pilosa）は哺乳綱の一群で、主に南北アメリカに生息しています。このグループにはナマケモノやアリクイなどが含まれます。有毛目は、近縁の被甲目（アルマジロを含む）とともに、異節上目に分類されます。

進化史

有毛目の最古の化石は約6600万年前の白亜紀末期の北アメリカで発見されています。その後、南アメリカに分布が限定されるようになり、第三紀を経て、有毛類と被甲類が分かれたと考えられています。その進化の過程で、特にアリクイ類とナマケモノ類が分岐しましたが、有毛類については化石が少なく、その進化がどのように行われたかの詳細は不明です。しかし、地上性のナマケモノについては多くの化石が出土し、漸新世後期には既に存在していたことが確認されています。初期の種はネコほどの大きさでしたが、更新世には6mを超える巨大なナマケモノも出現し、多種多様な属が存在していました。これらの大型ナマケモノは数千年前まで生息しており、人類の狩猟対象ともなっていました。

分類

有毛目の分類は過去に何度も見直されています。以前は、このグループは被甲類と共に貧歯目に分類され、有毛下目とされていました。しかし、1990年代以降の研究により、真獣類の分類が大幅に見直され、異節類が四大グループの一つとしての地位を確立しました。これに伴い、有毛下目は独立した目として認識されるようになり、アルマジロなども被甲目とされることとなりました。

また、異節類自体が過去にはセンザンコウやツチブタと一緒に貧歯目に分類されたこともありましたが、これらは実際にはそれぞれ異なる進化の道を辿って来ました。これにより、貧歯目は解体され、有毛目と被甲目はそれぞれ独自の系統としての地位を確立しました。

上位分類

有毛目は、以下のように哺乳類の大分類に位置付けられます：

• - 哺乳類（Mammalia）
• - 獣亜綱（Theria）
• - 真獣下綱（Eutheria）
• - アフリカ獣上目（Afrotheria）
• - 異節上目（Xenarthra）
• - 被甲目（Cingulata）
• - 有毛目（Pilosa）
• - 北方真獣類（Boreoeutheria）
• - 真主齧上目（Euarchontoglires）
• - ローラシア獣上目（Laurasiatheria）

下位分類

有毛目は以下のように分けられます：

• - 有毛目（Pilosa）

- ナマケモノ亜目（Folivora）
- ミユビナマケモノ科（Bradypodidae）
- フタユビナマケモノ科（Megalonychidae）
- メガテリウム科（Megatheriidae）（†絶滅）
- アリクイ亜目（Vermilingua）
- アリクイ科（Myrmecophagidae）
- ヒメアリクイ科（Cyclopedidae）

まとめ

有毛目は南北アメリカに特有で、独特な進化の歴史を持つ哺乳類の一群です。多様な生態に適応した彼らの進化を知ることで、地球上の生物多様性の理解が深まります。

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