有馬光隆

有馬光隆（ありま みつたか）は、江戸時代中期に伊勢国西条藩の世嗣として生を受けました。通称を主計と称しました。彼は、播磨国林田藩の第4代藩主である建部政周の十一男として誕生し、初めは泰治と名乗っていました。建部家と有馬家は、以前から親戚関係にあり、特に建部政周の姉妹（建部政宇の娘）が有馬氏倫（伊勢西条藩の初代藩主であり、氏久の養父）の正室であったことが、両家の繋がりを深めていました。

延享2年（1745年）4月22日、光隆は西条藩の第2代藩主である有馬氏久の養子となり、氏久の娘である為子（正室所生の長女）を正室に迎えました。同年6月15日には、第9代将軍である徳川家重に拝謁しています。しかし、寛延2年（1749年）3月22日には、光隆は病を理由に廃嫡され、実家である建部家に戻ることになりました。

正室であった為子は、光隆との離縁後、上総国久留里藩の第2代藩主である黒田直亨に再嫁しました。有馬家では、光隆の廃嫡を受けて、信濃国飯田藩の堀家から氏恒が養子として迎えられました。

これらの出来事は、『寛政重修諸家譜』巻第四百七十に詳細が記録されています。この記録によれば、光隆の廃嫡は病によるものとされています。有馬光隆は、短い期間ながらも西条藩の世嗣として重要な役割を担い、その後の藩の歴史にも影響を与えた人物と言えるでしょう。

彼の生涯は、藩主家の複雑な人間関係や、当時の社会情勢を反映しており、歴史を研究する上で重要な事例の一つとなっています。

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