朝儀

朝儀（ちょうぎ）

朝儀とは、王朝における朝廷で行われる様々な公的な儀式の総称です。本稿では、主に日本における朝儀について解説します。

朝儀の種類

朝儀は、大きく以下の二つに分類できます。

1. 朝拝を中心とする儀式: 天皇即位儀、元日朝賀、任官、叙位、改元の宣詔、告朔など。
2. 饗宴を中心とする儀式: 節会や外国使への賜饗など。

奈良時代には、1は天皇が大極殿に出御し、文武百官が大極殿門を挟んで列をなす形式で行われました。一方、2は大極殿門に天皇が出御し、朝堂が臣下のいる場所となりました。これらの形態は平安時代の大内裏にも継承され、1は朝堂院、2は豊楽院で行われるようになりました。

儀式と典礼

平安時代には、朝儀や祭事、四季の行事などに関する形式と作法の次第を定めたものを「儀式」と呼び、その典拠となる先例（故実）を「典礼」と呼びました。これらの儀式・典礼は、唐の律令における「礼」を基本として作られたものが多く、貴族社会においては、儀式・典礼を知ることが非常に重要視されました。朝儀に参加し、作法の先例を尊重し、正しく儀式次第を行うことが、公家の体面や資格に関わるほどでした。そのため、院政期から鎌倉時代にかけて、朝廷では有職故実の学が生まれ、多くの儀式書が記されることとなりました。これは、過ぎ去った良き時代への懐古と尊重の念に基づいたものでした。

朝儀の成立

朝儀の成立は、個々の儀式によって事情や時期が異なりますが、唐の律令の受容と深く関わっています。大宝元年（701年）に完成した大宝[[律令]]によって、国家的な儀容の基本が初めて整備されたと考えられています。

参考文献

黒須利夫「朝政と朝儀」阿部猛・義江明子・槙道雄・相曽貴志編『日本古代史研究事典』東京堂出版、1995年5月。ISBN 4-490-10396-4

関連項目

朝廷
朝庭
公事
朝堂
朝政
朝堂院
朝集殿
* 皇室の儀式

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