朝鮮・ロシア友情橋

朝鮮・ロシア友情橋

朝鮮・ロシア友情橋は、ロシア連邦沿海地方のハサン駅と、北朝鮮羅先特別市の豆満江駅を結ぶ鉄道橋です。豆満江を跨ぐ全長400メートルのこの橋は、両国にとって重要な交通路となっています。

特徴

この橋の最大の特徴は、両国の鉄道軌間の違いに対応するため、四線軌条となっている点です。しかし、実際には一部区間で標準軌の線路が敷設されておらず、ロシアで使用される1520mmの広軌のみが運用されています。これは、両国の鉄道システムの違いを象徴しています。

歴史

1952年、ソ連と北朝鮮を結ぶ鉄道が開通しましたが、当初は豆満江を渡る区間は木製の簡易橋でした。その後、1959年8月9日に現在の鉄橋が完成しました。以来、この橋は両国を結ぶ唯一の陸路として重要な役割を果たしています。

しかし、この鉄橋は高さが低いため、中国領内の防川港から日本海に出る際の障害となっており、大型漁船や国際貨客船の航行を妨げています。この問題は1990年代から指摘されており、中国は「豆満江開発計画」を通じて、橋の改造を提案していますが、政治的な理由からロシアと北朝鮮は同意していません。

2009年から2011年にかけて、両国国境から羅津港までの区間（54km）で改良工事が行われました。2017年10月には、トランステレコム社によって光ケーブルが敷設され、中国経由の通信ケーブルへの依存度が軽減されました。

近年の動向

2020年以降、新型コロナウイルスの世界的流行により、北朝鮮は国境を事実上閉鎖し、橋を渡る列車は途絶えました。2021年には、北朝鮮に駐在していたロシア大使館員とその家族が、トロッコを使って国境を越えて帰国する映像が公開されました。この映像からは、橋の線路が錆びついているものの、何らかの維持管理が行われていることが伺えます。

2022年11月には、アメリカが公開した衛星写真により、ロシアから北朝鮮への貨物列車が運行されたことが確認されました。アメリカ当局は、この列車でウクライナ侵攻に必要な弾薬などが輸送されたと指摘しており、国際的な注目を集めています。

まとめ

朝鮮・ロシア友情橋は、歴史的に重要な鉄道橋であると同時に、現代の国際情勢を反映する場所でもあります。両国の関係や、周辺地域の開発、国際的な物流など、様々な側面からその動向が注目されています。

参照項目

ロシア鉄道
朝鮮民主主義人民共和国の鉄道
バラノフスキー・ハサン鉄道
琿春市（朝鮮・ロシア友情橋全体と日本海を同時に見られる街）
豆満江線
中朝友誼橋
* 露朝国境

ギャラリー

（写真や画像は省略）

外部リンク

（関連する外部リンクは省略）

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