木曜会 (日本陸軍)

木曜会 - 日本陸軍の少壮幕僚の集まり

木曜会（もくようかい）は、1930年代初頭の大日本帝国陸軍において活動した若手幕僚の集まりで、1927年（昭和2年）から1929年（昭和4年）までの間に存在しました。この会合は、陸軍の装備や国防に関するさまざまな問題を研究し、議論することを目的としていました。メンバーは約18人から構成され、鈴木貞一と深山亀三郎を中心とした少壮の陸軍幕僚たちが集まりました。

木曜会は、これ以前に結成されていた二葉会の影響を受けており、特に永田鉄山をはじめとする中堅幕僚との重複メンバーが多かったことで注目されます。会の名前は毎週木曜日に会合が開かれたことに由来しており、活動期間中、計12回の会合が行われました。

会合の内容

木曜会の活動の中で、特に注目すべきは1928年（昭和3年）1月19日に行われた第3回会合です。この会合では、陸軍大学校の教官である石原莞爾が『我が国防方針』のテーマで発言し、日米の軍事的競争に関する独自の見解を披露しました。彼の意見によれば、航空機をもって争いを決する時代が来るとのことで、日本は自国の戦争において「一厘も金を出させない」方針を持つべきだと強調しました。

また、この会合においては、中国を基盤とした戦争体制を構築すべきだと述べ、長期にわたる戦争の可能性について言及しました。こうした彼の見解は、参加していた他の幕僚にも影響を与えました。

满蒙領有論

1928年3月1日に開かれた第5回会合では、根本博が報告を行い、その後、東条英機が「満蒙に完全な政治的勢力を確立する」ことを提案しました。この提案は、当時の国際情勢を背景にしたものであり、特に対ソビエト連邦を意識したものでした。彼は、日本の生存にとって満洲と蒙古の支配が必要であるとし、具体的にはロシアとの対立を避けられないと語りました。

この方針は、会に参加していた幕僚たちによって確認され、彼らはこれを会の総意として称しました。会合で得た結論は、最終的に当時の国防方針に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

影響と結論

木曜会は1929年5月には二葉会と合流し、一夕会が結成されました。このように木曜会は、日本の軍事政策において重要な役割を果たし、その考え方は後の満洲事変や国防政策に引き継がれていくことになりました。

このような幕僚たちの活動は、1920年代の日本の政治や軍事の動向において重要な意味を持ち、彼らの議論や決定がその後の歴史的な事態に影響を与えたとされています。特に満蒙問題に関連する彼らの見解は、後に日本が外征を進める上での基本的な考え方となり、国際情勢の変化に対する日本の戦略の一環となったのです。

参考文献

• - 加藤陽子『戦争の日本近現代史』講談社
• - 小田部雄次『鈴木貞一』小学館
• - 川田稔『満州事変と政党政治』講談社

また、木曜会に関する詳細な情報は日本近代史料研究会の資料に記載されており、研究にとって重要な成立です。

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