木曾義元

木曾義元（きそよしもと）

木曾義元は、戦国時代の武将であり、信濃国木曽谷を支配した木曾氏の当主です。従五位下、伊予守という官位を持っていました。

生い立ちと家系

木曾氏の出自は、源義仲の子孫であると伝えられています。しかし、当初は秀郷流上野沼田氏であったという説もあり、義元の父の代までは「家」を通字としていました。源氏風の名前である「義」を通字とするようになったのは義元の代からとされています。ただし、「家」の字は、木曾氏の遠祖とされる八幡太郎義家の偏諱を代々受け継いだとの見方もあります。文明7年（1475年）に木曾家豊の子として誕生し、初めは左京大夫義清と名乗っていましたが、後に義元と改名しました。

木曾氏当主としての活動

木曾氏の当主となった義元は、勢力拡大に尽力しました。特に、飛騨の姉小路氏や三木氏との間で激しい抗争を繰り広げました。永正元年（1504年）、飛騨国司・姉小路済継の命を受けた三木重頼配下の大熊玄蕃・白谷左馬介らが白巣峠を越えて木曾領王滝に攻め入りました。義元は王滝城で飛騨勢を迎え撃ちましたが、敗北を喫し、居城である木曽福島城へ退却中に追撃を受け、負傷して命を落としました。

死没と享年

義元は、30歳という若さでこの世を去りました。彼の死は、木曾氏にとって大きな痛手であり、その後の歴史に大きな影響を与えました。義元の生涯は短かったものの、戦国時代の動乱の中で、領国を守り、勢力拡大に努めた武将として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

志村平治『木曽伊予守義昌』歴史研究会出版局、2020年。