三木重頼

三木重頼（みつき しげより）：室町時代の飛騨の武将

三木重頼は、室町時代に飛騨国で活躍した武将であり、飛騨三木氏の当主です。三木氏は代々、京極氏の家臣として、飛騨国益田郡竹原郷を治める代官を務めていました。しかし、応仁の乱の混乱の中で、三木氏の当主である父・三木久頼が戦死したことにより、重頼が家督を継承することとなります。

応仁の乱後の動乱と三木氏の台頭

応仁の乱の最中、文明3年（1471年）に父・久頼が姉小路基綱との戦いで戦死しました。重頼は家督を継ぐと、京極氏と共に姉小路氏との戦いを繰り広げます。当初、京極氏は姉小路氏に敗北しますが、姉小路勝言（小島家）と結び、文明9年（1477年）までには姉小路基綱を破り、飛騨を二分する勢力となりました。

この戦いを通じて、三木氏は京極家中で勢力を増し、所領を拡大していきます。重頼は益田郡の南端である竹原郷から北上し、上村へと拠点を移しました。このことから、重頼の時代に三木氏が飛騨国内で重要な地位を確立したことが伺えます。

木曽への侵攻と晩年

永正元年（1503年）7月10日には、飛騨勢が木曽郡王滝に侵攻し、木曾義元が戦死するという事件が起こりました。この時の飛騨勢は、重頼の軍勢である可能性が高いとされています。ただし、この出来事を大永8年（1528年）とする資料も存在するため、正確な時期については諸説あります。

重頼は永正13年（1516年）に亡くなり、その後は三木直頼が家督を継ぎました。17回忌には明叔慶浚によって香語が詠まれるなど、重頼の死後も三木氏に影響を与えた人物であったことがわかります。

三木重頼の歴史的意義

三木重頼は、応仁の乱後の混乱期において、三木氏の勢力を拡大し、飛騨国内で重要な地位を確立した武将です。京極氏の家臣でありながらも、自らの力で所領を拡大し、一族の繁栄を築き上げました。また、木曽地方への侵攻など、周辺地域にも影響を与えた人物として、その足跡は歴史に刻まれています。



参考文献

[尋尊]] 著「国立国会図書館デジタルコレクション 文正9年」、岡村利平 編『大乗院寺社雑事記 第6巻』三教書院、1931年（原著1477年）。[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1155221/194 国立国会図書館デジタルコレクション。
長谷川忠崇 著「国立国会図書館デジタルコレクション 第6巻 古城部 三木氏略図」、辻善之助 編『飛騨叢書. 1 飛州志』住伊書店、1911年（原著1745年）。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/765268/98 国立国会図書館デジタルコレクション。
谷口研語『飛騨三木一族』(新人物往来社、2007年発行)
岡村守彦『飛騨中世史の研究』（戎光祥出版、2013年発行）

関連項目

姉小路氏
姉小路家
* 江馬氏

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