木曾義在

木曾義在（きそ よしあり）

木曾義在は、戦国時代に信濃国（現在の長野県）で活躍した武将であり、木曾氏の当主です。彼の時代は、木曾氏が木曾谷一帯の支配を確立する上で重要な時期でした。

生涯

義在は、父である木曾義元が飛騨国の三木氏との戦いで戦死したため、幼くして家督を継ぎました。叔父である黒川三郎義勝の後見を受けながら成長し、初めは弾正小弼を、後に左京太夫を称しました。17歳の時には、福島城の北上之段に館を築き、それまでの拠点であった須原から移りました。

義在は、永正6年（1509年）に叔父の勧めにより、松尾小笠原氏の当主・小笠原定基の娘を妻に迎えました。永正10年（1513年）には、安曇郡の領主である仁科明盛と共に将軍足利義稙に従い、近江国で六角高頼と戦いました。大永7年（1527年）には、小笠原氏と共に上洛し、左京大夫に任官しました。

義在の治世において、木曾谷の交通網整備が積極的に進められました。天文2年（1533年）には、美濃国落合から塩尻へと抜ける主要な街道を整備し、各宿場に人家を集めて、馬籠から新洗馬までの宿駅を定めました。これは、後の木曽十一宿の原型になったとされています。また、木曽谷の豊富な材木を美濃に輸出し、その代わりに米穀を蓄えるなど、経済的な発展にも尽力しました。

義在は、定勝寺所蔵の画像讃文によれば永禄元年（1558年）に亡くなったとされており、長期間にわたって木曾氏を統治したと考えられます。しかし、義在の時代に発行された文書は少ないとされています。天文11年（1542年）には、家督を子の義康に譲り、黒川口松島に隠居しましたが、隠居後も政治に関与していたことが文書から確認できます。天文23年（1554年）12月8日に62歳で没し、戒名は英山雄公とされました。

評価

歴史学者の柴辻俊六は、義在の時代に木曽谷を統一し、国人領主から一定の戦国大名へと転換を遂げたと評価しています。一方、笹本正治は、発給文書の吟味から、この時期の木曾氏を国人領主制の頂点にあったとする見解を示しており、戦国大名化については異議を唱えています。このように、木曾義在の評価については、研究者の間で意見が分かれています。

まとめ

木曾義在は、戦国時代の木曾氏を代表する人物であり、木曽谷の支配を確立し、宿駅の整備や経済政策を通じて、木曾氏の発展に大きく貢献しました。彼の生涯は、戦国時代の地方領主のあり方を考える上で、重要な事例の一つと言えるでしょう。

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