本遠寺

本遠寺の歴史と文化

概要

本遠寺（ほんのんじ）は、山梨県南巨摩郡身延町に位置する日蓮宗の本山であり、特に由緒ある寺院として知られています。大野山の山号を持ち、慶長14年（1609年）に徳川家康の側室である養珠院・お万の方の帰依を受け開山されました。開山は日蓮宗の総本山、身延山久遠寺の22世の僧、心性院日遠によるものです。この寺は「お万さまの寺」とも呼ばれ、多くの信者が足を運びます。現在の貫首は、第66世の髙佐日瑞です。本堂と鐘楼堂は国の重要文化財として指定されており、境内には塔頭の良圓寺も存在します。

創建の背景

本遠寺の創建について、資料『甲斐国志』によれば、開山の心性院日遠は、養珠院の遺志を受けて本堂を建立しました。養珠院は日蓮宗の熱心な信者であり、彼女の影響が本遠寺の発展に寄与しました。養珠院は寛永17年（1640年）に女性として初めて七面山に登頂し、以降、女人禁制が解かれる契機となりました。その結果、男女問わず多くの信者が参拝できるようになり、より一層の発展を遂げたのです。

開山日遠の足跡

日遠は、元亀3年（1572年）に生まれ、6歳の頃に出家し、様々な場所で修行を積みました。慶長4年（1599年）には飯高檀林の化主として挙げられ、以降、久遠寺の22世として西谷檀林を設立しました。しかし、慶長法難に伴い身延からの隠遁を余儀なくされ、養珠院の援助を受けて本遍寺を開くこととなります。晩年には多くの信徒を持ち、宗門を代表する高僧として名声を博しました。彼の著作には、法華経の解釈や教えについて記された「玄義聞書」などが残されています。

養珠院と日蓮宗への貢献

養珠院お万の方は、日蓮宗を支える活動に多大な貢献をしました。彼女は本遠寺の創設時に大規模な寄進を行っただけでなく、他の多くの寺院の再興にも関わりました。特に、身延山久遠寺や池上本門寺、さらに和歌山感応寺などの寺院に堂塔伽藍を寄進し、日蓮宗の発展の基礎を築いたとされています。お万の方は、彼女の遺志により大野山本遠寺に埋葬され、師の墓の側に眠っています。彼女の功績は歴史や文化に大きな影響を与え、今でも多くの信者によって尊ばれています。

文化財と現状

本遠寺はその歴史的価値から、多くの重要な文化財を保持しています。特に、本堂と鐘楼堂は国の重要文化財に指定され、慶安3年（1650年）に建立されました。地域の文化認識が高まり、観光地としての役割も果たしています。また、境内には多くの地元の人々が訪れるため、温かいコミュニティが形成されています。823年の歴史を持つ本遠寺は、地域文化の中で重要な役割を果たしており、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

また、当寺院にアクセスするための交通手段として、JR身延線の身延駅から徒歩約25分、または山梨交通の大野バス停から徒歩約15分で到着することができます。

このように、本遠寺はその歴史、文化的背景、そして地域への影響力を持つ寺院として、多くの人々に広く知られ、尊敬されています。

もう一度検索