朽木村

朽木村の概要

朽木村（くつきむら）は滋賀県の西部、高島郡に位置した村です。この村は長い間、滋賀県内で唯一の「村」として存在しましたが、2005年1月1日に周辺の町と合併し、高島市の一部となりました。合併後も当村の名を残すため、「高島市朽木○○」の形で地名は引き継がれています。

地理

朽木村は滋賀県の最も西側にあり、北には福井県、そして西には京都府が隣接しています。村の中心部は市場に位置し、東部は比良山地、西部は丹波高地の東端となっています。また、村域の中流域には安曇川が流れており、朽木谷として知られる美しい自然環境が広がっています。特に、西部の針畑川に接するエリアは、古くから京都市左京区久多との交流が盛んでした。

歴史

朽木村は古くから交通の要所として知られ、若狭国小浜と京都を結ぶ鯖街道が村を通過していました。この街道沿いには多くの人々が行き交い、村は発展していきました。国道367号線がその名残を残し、現在も利用されています。

また、村は「朽木の杣」として知られ、京の木材供給地としても重要な役割を果たしました。歴史的には、朽木氏が鎌倉時代から江戸時代にかけてこの地域を支配しており、特に織田信長時代には朽木元綱が信長を助けたことで名を馳せました。

竹やぶを経て、昭和46年に町制施行が行われるまで、朽木村は唯一の村として存在していました。1889年の町村制施行により、周辺の数村が合併し新たに朽木村が発足、その後も合併を重ねて高島市が生まれました。

産業

朽木村は豊かな森林に恵まれ、林業が中心産業でした。昔は安曇川を利用して木材のいかだ流しが行われていました。この伝統は「しこぶち」信仰として今も受け継がれています。また、木工芸も発展し、麻生地区を中心に木地師として知られる職人が活躍していました。農業方面では特にシイタケが有名です。

交通

交通手段としては、JR西日本の湖西線安曇川駅から江若交通バスを利用するのが一般的です。また、京都からのアクセスもあり、細川バス停に向かうバスも運行されていますが、本数は限られています。高島市営バスも運行され、多様な路線が地域内をカバーしています。

教育

地域には朽木東小学校や朽木西小学校など、小中学校が設置されています。教育の充実も地域の特長です。

観光

観光名所も多く、毎週日曜日に開催される道の駅くつき新本陣での朝市が定評があります。朽木スキー場や興聖寺、またくつき温泉も観光客に人気です。これらの観光施設は、自然と文化に触れることができる場として地域の魅力を高めています。

名産と出身著名人

朽木村はシイタケや鯖のなれずし、栃餅といった地元特産品が有名です。また、戦国時代の名将朽木元綱がこの村の出身であり、地域の歴史を語る重要な証人とも言えます。さらに、交通の利便性や自然環境が人々を引きつけています。

結論

朽木村は合併によって高島市となり、その歴史は続いていますが、郷土愛や伝統は今も人々の心に息づいています。自然環境を活かした地域振興や観光の発展が、今後の重要な課題となっていくでしょう。

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