李徳裕

李徳裕の生涯と業績

李徳裕（り とくゆう、787年 - 850年）は、中国・唐代の著名な政治家で、趙州賛皇県を生誕の地とし、趙郡李氏の名門に生まれた。
彼の幼少期からの学問への探求心は強く、早くから学業に励むも、当時の主要な試験である科挙には関与せず、恩恵によって校書郎の職に就いた。元和15年（820年）には穆宗に仕え、翰林学士となり、さらに長慶2年（822年）には中書舎人の地位を得る。

彼の政治キャリアは、牛僧孺や李宗閔との対立によって、「牛李の党争」と呼ばれる激しい政争を引き起こし、唐代の政治風景に悪影響を及ぼした。
また、彼は道士の趙帰真と共に「会昌の廃仏」を推進したとし、多くの仏教徒からは非難の目を向けられることとなる。

敬宗（けいそう）政権下では、浙江西道観察使に任命され、義務を果たしつつ、帝に対しても諌言を行うなど、善政を実行した。文宗が即位後、大和3年（829年）には兵部侍郎に任じられ、宰相に推薦されるも、宦官の影響を受けた李宗閔によってその地位を得られず、逆に地方に派遣された。彼が淮南節度使として在任中には、日本からの留学僧円仁からの要請を受け、天台山での留学に対する助力を検討するも、勅許は下らず、円仁は「不法滞在」という形で目的地を目指すことになる。

開成5年（840年）に武宗が即位すると、遂に宰相となり、地方の藩鎮による争乱を収束させる功績を上げた。彼の働きによって太尉衛国公の称号が与えられたが、次の宣宗の即位後、再び地方への左遷が行われ、潮州司馬や崖州司戸参軍を経て、その生涯を閉じた。

彼は武宗政権下での宰相職を経験し、政敵の陰謀により貶められた一方、唐代において造園技術の向上にも寄与しており、彼の作る庭園は後の造園史において高く評価されている。「平泉荘」という別荘庭園を河北省賛皇県に造営し、周囲には百を超える堂や多くの珍しい植物がある名園を叶えたが、彼はその護持にも力を注ぎ、後世に向けた文書を遺した。

著作

李徳裕は、多くの著作を残しており、特に『次柳氏旧聞』や『西南備辺録』、そして『会昌一品集』が知られている。『会昌一品集』は彼が宰相としての6年間に発信した文書を集めたもので、当時の政策やウイグル帝国に対する対応、反乱の鎮圧など、重要な歴史的文献として位置づけられています。彼の文書は武宗政権の政治や遊牧民の歴史を知る上で、貴重な資料とされる。

伝記資料

李徳裕に関する詳細な記録は『旧唐書』や『新唐書』にあり、彼の政治家としての業績や人格についての理解を深める資料とされています。

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