村田惇

村田惇について

村田惇（むらた あつし）は、嘉永7年（1854年）に生まれ、大正6年（1917年）に亡くなった、日本の陸軍軍人です。旧名は繁太郎といい、最終階級は陸軍中将でした。

生い立ちと教育

村田惇は、江戸で幕臣・高野勘四郎尹元の次男として生まれました。その後、村田政の養子となります。明治3年（1870年）には沼津兵学校に入学し、資業生として学び始めました。翌年には大阪兵学寮幼年学舎に編入し、さらに陸軍士官学校へと進みました。明治12年（1879年）には砲兵少尉に任官し、陸軍士官学校砲兵科を卒業後、山砲兵第4大隊に配属されました。

軍歴

村田惇は、陸軍士官学校教官、参謀本部長伝令使、フランス・イタリア留学、陸軍砲兵射的学校教官など、多岐にわたる役職を歴任しました。明治24年（1891年）には砲兵少佐に昇進し、その後、参謀本部副官、大本営管理部長、日清戦争では第2軍副官を兼務するなど、重要な役割を担いました。明治28年（1895年）には砲兵中佐に昇進しています。

明治30年（1897年）には砲兵大佐に進級し、第4師団参謀長に就任。その後、東宮武官、ロシア公使館付として勤務するなど、国際的な舞台でも活躍しました。

明治35年（1902年）に陸軍少将に昇進し、佐世保要塞司令官、大本営幕僚付（外国係）、韓国統監府付などを歴任。明治42年（1909年）には陸軍中将に進み、築城部本部長となりました。大正3年（1914年）に待命となり、同年予備役に編入されました。

ロシア通として

村田惇は、特にロシア通として知られていました。ロシア公使館付としての勤務経験もあり、その知識と語学力は、当時の日本陸軍において貴重な存在でした。

栄典

村田惇は、その功績により数々の位階と勲章を受けています。

位階
従六位（1891年）
正六位（1895年）
従五位（1897年）
正五位（1902年）
従四位（1907年）
正四位（1912年）
従三位（1914年）
勲章
勲六等瑞宝章（1892年）
単光旭日章、功四級金鵄勲章（1895年）
勲五等瑞宝章（1896年）
勲二等旭日重光章、功三級金鵄勲章、明治三十七八年従軍記章（1906年）
皇太子渡韓記念章（1909年）
大礼記念章（1915年）
外国勲章
オスマン帝国：メジジエ第三等勲章（1887年）
フランス共和国：レジオンドヌール勲章シュヴァリエ（1895年）
ロシア帝国：神聖スタニスラス第二等勲章（1896年）
スペイン王国：シャールトロワー第二等勲章（1897年）
イギリス帝国：銀製ジュビリー記念章（1897年）
ロシア帝国：神聖アンナ第二等勲章（1902年）
ロシア帝国：神聖スタニスラス第一等勲章(1902年)
大韓帝国：勲一等八卦章（1905年）
* イギリス帝国：バス勲章ナイトコマンダー（1910年）

まとめ

村田惇は、日本の近代化に大きく貢献した軍人であり、その多岐にわたる経験と知識は、当時の日本にとって非常に重要なものでした。ロシア通としての活躍もさることながら、教育者、参謀、外交官、要塞司令官など、様々な立場で日本の発展に尽力した人物として、後世に語り継がれるべき存在です。

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