村田正雄 (初代)

初代 村田 正雄

初代村田正雄（1869年3月25日 - 1925年6月7日）は、日本の伝説的な俳優であり、多くの舞台や映画で活躍しました。本名は村田又彦で、俳号は村田芳泉という。この俳優は、日本の映画産業の初期において、その演技力と特異な存在感で知られています。

人物・来歴

村田正雄は、東京府芝（現在の東京都港区）で生まれました。教育を受けたのは横浜貿易商組合立横浜商業学校で、ここでの学びが彼の将来にどのように影響を与えたかは興味深いところです。1895年、彼は24歳の時に横浜・港座で初めて舞台に立ち、そこで『色と慾二股桜』に出演しました。
彼の舞踊の技術は、森間藤蔵から学び、義太夫の技術は鶴沢友次郎の指導のもとで磨かれました。これにより、彼はさまざまな役柄を演じる成長を遂げていきました。

1901年には高堂国典が彼の門下に加わり、1902年には京都・南座で改良演劇に参与、次第にその名声を高めていきます。その後、伊井蓉峰が主宰する劇団にも貢献し、脇役に徹した結果、重厚なキャラクターを演じる能力がさらに磨かれました。

1910年には、東京の吉沢商店目黒撮影所で制作される映画に出演し、多くの作品に主演しました。この吉沢商店はその後、日活として知られる映画会社に変わり、1913年には日活向島撮影所で村田が『八重欅』に出演することになります。1917年には山川吉太郎の経営する山川興行部で主役を務め、その後新たに設立した天然色活動写真（天活）でも重要な役を担いました。

村田正雄は54歳でその生涯を終え、最後に演じた作品は『金色夜叉』でした。彼の死後、甥に当たる村田高一がその名跡を継ぎ、「二代目村田正雄」として新たな道を開いていきます。戦後、特撮技術や新たな映画スタイルの中でも二代目は名を馳せ、多くのファンに愛されました。

おもなフィルモグラフィ

初期のサイレント映画時代において、クレジットが存在していないため、正雄が出演した作品の詳細は不明な点も多くありますが、彼の一部の作品を以下に挙げます。

吉沢商店（1910年頃）

• - 『女天下』：共演者に福島清、興行島越電気館
• - 『サーベル』：共演者に福島清・木村栄・藤井六輔、興行浅草電気館
• - 『お目出度』：共演者に都築操・藤井六輔、興行島越電気館

日活向島撮影所（1913年）

• - 『八重欅』：共演者に藤沢浅二郎、興行浅草オペラ館

山川興行部（1917年）

• - 『春の辰巳』：共演者に熊谷武雄・花園薫、興行浅草日本館
• - 『曙の歌』：共演者に熊谷武雄・花園薫、興行大阪楽天地

村田正雄の業績や彼が残した影響は、今日の日本のエンターテイメントにおいても確実に生き続けています。

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