東城駅

東城駅（広島県庄原市）

東城駅は、広島県庄原市東城町川東に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）芸備線の駅です。

概要

岡山県との県境が野馳駅との間にあり、旅客の流れもこの駅を境に分かれています。新見駅を発車する芸備線の列車は、半数が当駅で折り返します。当駅から備後落合方面へ向かう列車は1日に3往復のみで、全国でも有数の閑散区間となっています。

鉄道よりも、駅前にあるバス停からのバスの発着が活発です。広島方面への高速バスは1日6往復（広島行き4往復、庄原行き2往復）運行されているほか、福山行きの路線バスや、庄原市東城地区内を走る路線バスも運行されています。

歴史

東城町は、かつてたたら製鉄や木材の集積地として栄え、広島県北有数の商業都市でした。1890年代には、東城町への鉄道敷設構想が持ち上がりました。広島～松江を結ぶ陰陽連絡鉄道（両山鉄道）を東城経由にする提案や、成羽町を経由して高梁に至る鉄道など、様々な案が出ましたが、最終的に開通したのは現在の芸備線のみでした。

当初、東城駅の開業は1930年（昭和5年）の夏に予定されていました。しかし、当時の市街地と駅を結ぶ道路（駅前道路）のルートをめぐって町議会が紛糾し、議場での乱闘や町民の決起集会も起こり、「駅道事件」と呼ばれる町を二分する騒動に発展しました。この影響で駅の建設工事もストップし、予定より遅れて11月末の開業となりました。

1930年（昭和5年）11月25日：国有鉄道三神線（当時）が矢神駅から延伸し、その終着駅として開業。
1935年（昭和10年）6月15日：三神線が小奴可駅まで延伸し、途中駅となる。
1937年（昭和12年）7月1日：三神線が芸備線の一部となり、当駅もその所属となる。
1983年（昭和58年）12月25日：貨物取扱廃止。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となる。
2001年（平成13年）3月3日：駅員配置を廃止し、簡易委託駅となる。
2006年（平成18年）3月18日：当駅始発の新見行き始発列車が6時過ぎから5時半に繰り上げ。当駅での行き違いがなくなる。
時期不明：旧上りホーム（1番線）の使用を廃止。新見 - 備後落合の区間では、矢神駅より西側での行き違いはできなくなる。

駅構造

地上駅で、元々は相対式ホーム2面2線を有していました。駅舎側のホームが2番線、向かい側のホームが1番線と、一般的な付け方とは逆に番線番号が付けられていました。しかし、旧1番線への跨線橋が老朽化で使用できなくなり、立ち入り禁止となっています。そのため現在は単式ホーム1面1線のみで運用され、備後落合方面・新見方面とも2番線に停車します。ただし、使われなくなった1番線は現在も場内・出発信号機が残っているため上り本線として扱われており、上り列車は下り本線（2番線）に逆線停車する扱いとなっています。夜間時間帯には1本列車が留置されます。当駅は岡山支社所属のキハ120形が夜間留置される駅で、唯一岡山県外にある駅です（備後落合駅、鳥取県内の智頭駅、兵庫県内の上月駅・佐用駅は折り返しのみ）。

新見駅が管理する簡易委託駅で、窓口で乗車券を販売しています。

急行列車が運転されていた時期には、急行列車も停車していました。ホームには、1972年（昭和47年）から1980年（昭和55年）まで運行された急行「やまのゆ」の号車案内が今も残っています。

利用状況

「広島県統計年鑑」によると、1日平均乗車人員は以下の通りです。

(省略)

駅周辺

庄原市役所 東城支所
庄原警察署 東城交番
広島県立東城高等学校
庄原市立東城小学校
中国自動車道東城IC
国道182号
国道314号
広島県道238号東城停車場線
* フレスタ東城店

バス路線

バス乗り場は駅前にあり、それを示すポールが立っています。乗車券・PASPYは駅で購入できます。

備北交通・中国バスともPASPYが利用可能です。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

芸備線

■快速（早朝下り1本のみ運転、当駅から備後八幡方の各駅に停車）

矢神駅 → 東城駅 → 備後八幡駅

■普通

野馳駅 - 東城駅 - 備後八幡駅

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