東毛

東毛（とうもう）とは

東毛（とうもう）は、群馬県の南東部に位置する地域を指し、桐生市・太田市・館林市を中心としたエリアを構成します。栃木県南西部（安足地域）と合わせて「両毛」と呼ばれることもあります。

東毛の構成自治体

東毛は、以下の4市5町で構成されています。

桐生市
太田市
館林市
みどり市
邑楽郡：板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町

旧勢多郡に属していた地域は、東毛に含まれないことが一般的です。

東毛の地理的特徴

東毛地域は、北部と南部で地理的な特徴が大きく異なります。

北部（桐生地区）： 足尾山地の山々が連なり、山地が多いため、総面積に対する可住地面積比率が低く、市街地に人口が集中しています。可住地人口密度が高くなっている一方、大規模な工業団地の造成や企業の誘致が進んでおらず、人口は減少傾向にあります。
南部（太田・館林地区）： 関東平野が広がり、歴史的な経緯から人口の集住が進んでいません。市街地人口が比較的少なく、郊外に大型商業施設が多いのが特徴です。太田市は合併により20万人都市となりましたが、郊外人口が多いため、中心市街地の人口は一般的な20万人都市の規模には及びません。人口増加の多くは郊外の農地を住宅地に転用した地域であり、今後のインフラ整備や維持管理が課題となっています。

館林地区は、県都前橋市からの距離が40～60kmと離れている一方、都心からは約70kmと比較的近く、特に館林市、明和町、板倉町は都心との関係が密接です。一部の市町村では、埼玉県さいたま市の方が前橋市よりも近く、館林市、板倉町、明和町は関東大都市圏に属しています。また、館林地区は生産年齢人口の割合が高く、大泉町は県内1位、板倉町も県内9位となっています。

東毛の交通

東毛地区には、以下の4つの鉄道事業者が乗り入れています。

東日本旅客鉄道（JR東日本）：両毛線
わたらせ渓谷鐵道：わたらせ渓谷線
上毛電気鉄道：上毛線
東武鉄道：桐生線、伊勢崎線、佐野線、小泉線、日光線

東武鉄道は、千代田町を除く全ての東毛地区の自治体を網羅しており、各路線が地域を結んでいます。

道路においては、国道50号（桐生市～太田市）、国道354号（太田市～館林市）、国道17号上武道路（太田市尾島地区）などが主な幹線道路です。その他、国道122号、国道353号、国道407号などが地域を繋いでいます。

東毛中核市構想

東毛地区の自治体合併により、人口50万人規模の都市を誕生させようという構想が過去に存在しました。しかし、広大な面積や人口集積区域の分散などから、利害調整が難しく、実現には至っていません。市議会議員や市長レベルでは、スケールメリットによる大規模開発を主張する声もありますが、東毛全体の利益や調整を無視した意見も多く見られます。

2003年には、桐生市・太田市・尾島町・新田町が法定合併協議会を設置しましたが、合併の枠組みを巡る対立から合併は実現しませんでした。その後、桐生市は黒保根村・新里村との飛び地合併を選択し、大間々町に笠懸町・東村が加わり「みどり市」が発足するという経緯を辿っています。

東毛地区に足利市、佐野市（伊勢崎市）を加えて、人口100万人の政令指定都市を建設するという構想もありましたが、各市の利害関係の調整が困難であるため、実現は難しいと考えられています。

東毛と付く施設

東毛歴史資料館（太田市世良田町）
東毛少年自然の家（太田市藪塚町）
東毛林間学校（前橋市富士見町赤城山）
* 東毛酪農業協同組合（太田市新田市野井町）

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