松山重治

松山重治：戦国を彩った多才な武将

松山重治（まつやま しげはる）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。三好氏、そして後に織田氏の家臣として歴史に名を刻みました。その出自は堺にあり、当初は本願寺の番士を務めていましたが、後に松永久秀や三好長慶に仕えることになります。

「堺の名物男」

重治は、その爽やかな弁舌に加え、小鼓、尺八、早歌など、多彩な芸能にも秀でていました。これらの才能を活かし、座興を盛り上げることで人々を魅了し、「堺の名物男」として広く知られるようになったと言われています。

三好家臣としての活躍

三好長慶の家臣としての初見は、天文20年（1551年）に堺の豪商・津田宗達が催した茶会に、石成友通と共に参加した記録です。その後の天文22年（1553年）には、証如から沢上江の所領返還の礼として、三好長慶、松永久秀らと共に贈り物を贈られています。永禄元年（1558年）には、足利義輝が挙兵した際、東西九条に陣を構え、9月の白川口の戦いでは53の首を討ち取るという武功を立て、勝利に貢献しました。

永禄4年（1561年）の将軍地蔵山の戦いでは、家臣である「鎗中村」こと中村新兵衛高続が六角義賢の家臣・永原安芸守を討ち取り、永禄5年（1562年）の教興寺の戦いでは安宅冬康を補佐し、畠山高政率いる根来寺衆と戦い勝利しています。この戦いで特に功績のあった者として、寺町道昭、石成友通、阿波衆の吉成信長らと共に重治の名前が挙げられています。永禄6年（1563年）には多武峰（談山神社）での戦いで、筒井順慶、根来寺連合軍と戦い、池田猪介、柳生宗厳らと共に武功を立てたとされています。同年11月には出家し、「新入斎宗治」と名乗っています。

三好氏家臣時代には、約5千石を与えられ、2千人の兵を率いていました。松永久秀、鳥養貞長、野間長久、野間康久と共に三好政権を代表する重臣の一人として活躍しました。

織田家臣としての活動とその後

三好家の没落後、松山重治またはその後継者は織田信長に仕え、天正10年（1582年）1月の高野山攻めに参加しました。この時、伊都郡内に多和城を築城したとされています。しかし、その後の消息は不明です。

まとめ

松山重治は、武将としての卓越した能力に加え、文化的な才能も兼ね備えた人物でした。戦国時代の激動の中で、三好氏の重臣として活躍し、その後は織田信長にも仕え、戦国時代を生き抜きました。その多彩な才能と活躍ぶりは、多くの人々に語り継がれています。

参考文献

天野忠幸『三好長慶』（ミネルヴァ日本評伝選） 2014年 ISBN 978-4-623-07072-5

関連項目

常山紀談
* 菊池寛（中村新兵衛高続の小説「形」の作者）

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