松平伊耀

松平伊耀（まつだいら これてる）は、江戸時代前期の旗本であり、五井松平家8代当主です。下総国飯沼（現在の千葉県銚子市）に5500石の領地を持ち、江戸幕府の大番頭を務めました。官位は従五位下・備中守。別名を忠宜（ただよし）とも称しました。

生涯

伊耀は7代当主・松平忠実の子として生まれました。母は忠実の正室で、松平家忠の娘です。

寛永9年（1632年）に従五位下備中守に叙任され、寛永11年（1634年）には徳川家光の上洛に供奉し、参内しました。

承応元年（1652年）8月、二条城番を務めていた父・忠実が病に倒れたため、暇を得て上洛しました。8月23日に忠実は没し、家光から使者として御手洗定重が派遣され、忠実の在職中の死を悼み、伊耀に対し、来年の交代まで父の指揮下にあった者を指揮するよう命じられました。同年12月27日、父・忠実の跡を継ぎ、遺領のうち500石を弟の松平忠尚に分与し、5500石余を知行しました。

承応2年（1653年）10月27日に大番頭に任じられ、寛文8年（1668年）8月7日まで務めました。寛文9年（1669年）2月25日に致仕し、養老料として廩米2000俵が与えられました。

延宝2年（1674年）11月22日に死去。享年71。父と同じく銚子の等覚寺に葬られました。家督は子・忠益が継承しました。

系譜

妻は柴田康長の娘です。

子については、『寛政譜』に以下の順で記載されています。

1. 松平忠利 - 母は柴田氏。弥三郎、従五位下・主水正。寛文5年（1665年）に37歳で父に先立って死去しました。
2. 松平忠益 - 母は柴田氏。家督を継承しました。
3. 女子 - 川勝広有の室となりました。
4. 松平則采 - 叔父・松平忠尚の養子となりました。
5. 女子 - 江原全村の室となりました。

松平伊耀は、幕府の要職を務めながら、領地を治め、子孫を繁栄させた人物です。その生涯は、江戸時代前期の旗本の典型的な姿を示すものと言えるでしょう。

参考文献

『寛政重修諸家譜』巻第二十七
『寛政重修諸家譜 第一輯』（国民図書、1922年） NDLJP:1082717/80
* 『新訂寛政重修諸家譜 第一』（続群書類従刊行会）

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