松平伊行

松平伊行（まつだいら これゆき）は、江戸時代前期から中期にかけての旗本として知られています。

略歴

明暦3年（1657年）7月16日、4代将軍・徳川家綱に初めて拝謁しました。寛文3年（1663年）12月19日には書院番に任じられ、貞享2年（1685年）3月12日には桐間番へ転任、さらに4月22日には小納戸へと異動し、同年12月26日には布衣の着用を許されるなど、順調に幕府内での地位を確立していきました。

貞享3年（1686年）12月4日には、葵紋が描かれた茶碗を賜るという栄誉に浴しました。また、この頃に「幽楽軒」という3文字を自ら書したと伝えられています。

しかし、貞享4年（1687年）2月3日、御錠口における封紙の使用に関して、石原正次の署名がある封紙に加藤正岑が自身の印判を押したことと同様に、伊行も印判を押していたことが発覚します。この行為が将軍の怒りを買い、所領を没収された上で、一柳末礼のもとに預けられるという処分を受けました。

元禄元年（1688年）7月31日に罪を許され、同年12月11日には再び出仕を許され小普請に列しました。12月18日には米200俵を賜ります。元禄5年（1692年）3月18日には再び書院番に任じられ、翌年には家督を相続しました。元禄9年（1696年）12月22日には、長年の勤務を怠らなかったことが評価され、黄金5枚を授与されました。

元禄16年（1703年）9月21日に書院番を辞任し、宝永5年（1708年）8月6日に隠居しました。正徳5年（1715年）9月4日に死去。享年71歳でした。

長男の忠久は病弱であったため廃嫡され、伊行の従甥にあたる忠正（朝倉高興の次男）が養子となり家督を継承しました。

系譜

父母
父: 松平忠久
母: 朝倉在重の娘
正室
石丸定次の娘
子女
松平忠雄 (次男) - 松平忠房の養子
養子
松平忠正 - 朝倉高興の次男

参考文献

『寛政重脩諸家譜』第1輯,國民圖書,1922. 国立国会図書館デジタルコレクション 91コマ目
https://dl.ndl.go.jp/pid/1082717/1/91
『寛政重脩諸家譜』第4輯,國民圖書,1923. 国立国会図書館デジタルコレクション 283コマ目
* https://dl.ndl.go.jp/pid/1082713/1/283

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