松平光和

松平光和は、江戸時代中期に信濃松本藩を治めた第4代藩主であり、戸田松平家の9代目当主にあたります。

生涯

延享元年（1744年）、第2代藩主である松平光雄の六男としてこの世に生を受けました。幼少の頃より、兄である光徳の養子となり、後継者としての道を歩むことになります。宝暦9年（1759年）3月、兄である3代藩主の光徳が急逝したため、その跡を継ぎ、松本藩の第4代藩主となりました。同年3月15日には、将軍徳川家重に謁見し、12月7日には従五位下丹波守に叙任されています。

藩主としての日々を送る中で、天明元年（1764年）には、隣国諏訪藩で「二の丸騒動」が発生します。この騒動で、家老である諏訪頼保によって失脚させられ、幽閉された上席家老の千野貞亮を、光和は召し抱えていた忍者である芥川義矩を差し向け、救出するという大胆な行動に出ています。

明和4年（1767年）10月12日には、幕府の要職である奏者番に就任しますが、安永元年（1772年）9月10日に辞任しています。安永3年（1774年）12月9日、光和は藩主の座を弟であり養子でもある光悌に譲り、隠居しました。同年12月21日には、伊勢守に改められています。安永4年（1775年）、江戸においてその生涯を閉じました。

系譜

実父: 松平光雄
実母: 久田氏（側室）
養父: 松平光徳
正室: 房姫（松平武元の娘）
側室: 玉生氏
子女:
安子（秋月種徳継室、生母は玉生氏）
戸田悌親室（生母は玉生氏）
野々山悌義室（生母は玉生氏）
養子: 松平光悌（実弟）

関連事項

* 松本城

松平光和は、藩主としてだけでなく、その行動力と決断力で、歴史に名を残しました。特に、隣国での騒動における家老救出劇は、彼の果敢な一面を象徴する出来事と言えるでしょう。

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