松平光雄

松平光雄について

松平光雄（まつだいら みつお）は、江戸時代中期の武士で、信濃松本藩の第2代藩主です。戸田松平家7代当主にあたります。

生涯

享保元年（1716年）8月22日、山城淀藩主・松平光煕（まつだいら みつひろ）の五男として、山城淀城にて生誕しました。幼名は不明です。享保17年（1732年）10月5日、兄で松本藩主であった松平光慈（まつだいら みつちか）が急逝したため、その末期養子として家督を相続し、松本藩主となりました。10月15日には、将軍徳川吉宗に謁見し、12月16日には従五位下・丹波守に叙任されています。

光雄の藩主としての大きな役割の一つに、碓氷関（うすいせき）・福島関（ふくしませき）の女手形発行事務がありました。この事務は、松本藩の前藩主であった水野家が改易された後、一時的に高遠藩に移管されていましたが、享保20年（1735年）に再び松本藩の担当となり、以後、明治維新まで継続されました。また、寛保3年（1743年）11月26日には、幕府領であった塩尻陣屋の廃止に伴い、筑摩郡、佐久郡、伊那郡、小県郡の4郡にまたがる159か村、5万3290石を預かることになりました（後に佐久郡、小県郡の1万3000石は中之条陣屋に移管）。これらの措置は、光雄が藩主として領地を拡大し、藩の財政基盤を安定させるために行ったものと考えられます。

宝暦6年（1756年）11月1日、光雄は江戸呉服橋邸にて41歳で亡くなりました。跡は長男の松平光徳（まつだいら みつのり）が継いでいます。

人物

松平光雄は、藩主として領地の拡大や関所の管理など、藩の運営に尽力しました。また、多くの側室を持ち、多くの子をもうけました。子女たちは、他家へ嫁いだり、養子に出されたりし、松平家だけでなく、他の大名家との関係を構築する役割も果たしました。

系譜

実父: 松平光煕
実母: 小野氏（側室）
養父: 松平光慈
正室: 冨（佐竹義峯の娘）
側室:
石縛氏
村岡氏
三輪氏
太田氏
久田氏
大橋氏
田村氏
谷口氏
小芦氏
山本氏
子女:
松平光徳（長男）：生母は石縛氏
松平光和（六男）：生母は久田氏
一柳直住（七男）：生母は田村氏
松平光悌（八男）：生母は谷口氏
松平信直正室：生母は太田氏
今城定興室：生母は村岡氏
石川総英正室：生母は太田氏
成瀬正典正室：生母は三輪氏
野々山和義室：生母は大橋氏
松平忠告正室：生母は小芦市
本多忠直正室：生母は山本氏

参考文献

金井円『近世大名領の研究』


この文章は、松平光雄の生涯と業績をまとめたものです。藩主としての職務や、家族関係について理解を深めることができるでしょう。

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