松平忠宝

松平忠宝：尼崎藩主にして俳人

松平忠宝（まつだいら ただとみ）は、江戸時代後期の摂津国尼崎藩の第4代藩主であり、桜井松平家の13代当主です。俳人としての才能も持ち合わせていました。

生涯

明和7年（1770年）に3代藩主・松平忠告の次男として生まれました。兄が早世したため、天明4年（1784年）に世嗣となり、徳川家治に御目見。同年、従五位下大膳亮に叙位任官されました。文化2年（1805年）に父が死去し、文化3年（1806年）に家督を継ぎました。

文化10年（1813年）に病を理由に家督を次男・忠誨に譲り隠居。文政12年（1829年）に60歳で亡くなりました。忠誨も間もなく亡くなっています。

人物

父と同じく谷素外に俳諧を学び、俳人としても知られており、俳号は亀幸（きこう）と称しました。父の俳句を『一桜井発句集』としてまとめています。

系譜

父：松平忠告（1742-1806）
母：吉 - 松平光雄娘
正室：八百子 - 土屋篤直娘
次男：松平忠誨（1803-1829）
生母不明の子女
女子：松平乗全正室

忠宝の次男である忠誨の弟、松平忠顕は心の病を患っていたとされ、忠誨の死後、第6代藩主には忠宝の末弟・松平忠栄が就任しました。忠顕は安政5年（1858年）に尼崎に移され療養生活を送りましたが、忠栄の後継に忠顕を推す動きもあったとされています。そのため、忠栄は忠顕の取り扱いには細心の注意を払っていました。洋画家で尼崎町長、初代尼崎市長を務めた桜井忠剛は忠顕の子です。

松平忠宝は、藩主としての責務を果たす傍ら、俳諧の世界にも足跡を残し、文化の発展にも寄与した人物として知られています。彼の事績は、尼崎藩の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

参考情報

* デジタル版 日本人名大辞典+Plus『松平忠宝』 - コトバンク

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