松平忠順

松平忠順について

松平忠順（まつだいら ただより）は、江戸時代中期の大名であり、信濃国上田藩の第3代藩主です。彼は江戸幕府においても重要な役職を歴任し、奏者番、寺社奉行、若年寄などを務めました。官位は従五位下・内膳正、伊賀守。伊賀守系藤井松平家の5代目にあたります。

生涯

享保11年（1726年）11月22日、2代藩主・松平忠愛の長男として江戸で生まれました。

寛保元年（1741年）には、従五位下・内膳正に叙位・任官しました。寛延2年（1749年）8月2日、父の隠居に伴い家督を継ぎ、伊賀守に遷任しました。

父とは異なり、忠順は有能な人物として知られていました。彼は儒学を基礎とした積極的な藩政改革を目指しましたが、父の時代から既に藩の財政は破綻寸前でした。そのため、宝暦3年（1753年）には半知上納を行い、宝暦9年（1759年）には倹約令を発令しました。

しかし、民政においては、質の悪い役人が年貢の増徴を行っていたため、宝暦11年（1761年）12月には百姓一揆（上田騒動）が発生しました。この一揆により、藩は百姓からの年貢減免と役人の罷免要求を受け入れざるを得なくなりました。

その後、宝暦13年（1763年）に奏者番に任命され、明和元年（1764年）には寺社奉行、安永4年（1775年）には若年寄の上席を務めました。

天明3年（1783年）2月8日、江戸で58歳で亡くなりました。跡は長男の忠済が継ぎました。

系譜

父母
松平忠愛（父）：上田藩2代藩主
杉浦氏（母）：側室

正室
井伊直定の養女（井伊直惟の娘）

側室
波多氏
手塚氏
森田氏
八木氏
山本氏

子女
松平忠済（長男）：生母は山本氏。上田藩4代藩主
松平為三郎
松平忠脩
池田輝名（四男）：池田喜生の養子
岡部重則室
松平結子：戸田忠翰正室

長男の忠済は家督を継ぎ、五男の池田輝名は6000石を領する大身旗本である池田喜生の養子となりました。しかし、輝名は家督を相続する前に亡くなりました。他に、他家に嫁いだ娘が2人います。


松平忠順は、藩政改革に尽力したものの、その道のりは平坦ではありませんでした。しかし、彼の功績は後世に語り継がれています。

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