松本糸魚川連絡道路

松本糸魚川連絡道路について

松本糸魚川連絡道路は、長野県松本市と新潟県糸魚川市を結ぶ、全長約100kmの地域高規格道路として計画されています。この道路は、両地域間の移動時間短縮や、北陸自動車道と中央自動車道といった主要高速道路へのアクセス向上を目的としています。一般的に「松糸道路」という略称でも知られています。

計画の変遷

当初、この道路は全線4車線、設計速度60～80km/hで計画されていました。しかし、2003年に国が地域高規格道路の構造要件を見直したため、現在は設計速度60km/h、2車線の一般道路として計画が進められています。

長野県区間

長野県内では、計画の初期段階で、中部縦貫自動車道に接続する波田IC（仮称）を起点とすることが検討されていました。しかし、既存道路の活用やコスト削減の観点から、計画は複数回見直され、最終的に長野自動車道の豊科IC付近を起点とする案が採用されました。

2008年には、豊科ICから約3km離れた場所に新たに豊科北IC（仮称）を設置し、そこから高瀬川右岸道路までを新設の橋梁などで繋ぐ案が決定しました。この案は、他の候補案と比較して、長野自動車道までの距離が短く、より低コストであることが評価されました。

その後、2011年には豊科北ICから高瀬川右岸道路への接続ルートについて、地下水への影響を考慮した上で、三川合流部を東側に迂回するルートが選定されました。2016年には、安曇野北IC（旧豊科北IC）から大町市街地南までの計画案が公表され、既存の高瀬川右岸道路を改良して接続する方針が示されました。しかし、地元からの要望を受け、2019年にはルート帯の再検討が行われ、2020年に安曇野北ICを新設し、犀川右岸や高瀬川右岸を通るルート帯が最適ルートとして選定されました。2022年には、安曇野市穂高北穂高から安曇野北ICまでの4.0kmが、主要地方道大町明科線 安曇野道路として事業化されました。

新潟県区間

一方、新潟県内では、2008年に複数のルート帯案が示され、2009年には住民アンケートが実施されました。しかし、民主党政権下での公共事業縮減の影響を受け、日本海沿岸東北自動車道（朝日温海道路）の整備が優先され、松本糸魚川連絡道路の整備は先送りにされました。

その後、2016年の糸魚川市大規模火災からの復興や、白馬エリアとの観光連携の重要性から、2017年度に一部区間を除き、ルート帯案が提示されました。具体的には、長野県境から平岩間は国道現道を活用し、平岩から小滝間はトンネル化を含めて検討、小滝から山本橋間は国道現道、山本橋から糸魚川ICは姫川左岸ルートとなっています。2017年11月には、小滝-山本橋間と山本橋-糸魚川IC間のルートが決定しました。

2019年3月には、糸魚川市の約5kmが整備区間に指定され、2020年3月には、松糸道路の一部となる新潟県道222号西中糸魚川線の西中バイパスが開通しました。

年表

1994年12月16日: 候補路線指定（波田 - 糸魚川市 約100km）
1995年12月1日: 松本市で建設促進期成同盟会設立
1998年6月16日: 計画路線指定（波田 - 糸魚川市 約100km）
1999年12月17日: 調査区間指定（旧南安曇郡堀金村 - 大町市約15km、糸魚川市平岩 - 根知 約8km）
2005年3月25日: 調査区間指定（北安曇郡小谷村雨中地区 約4km、糸魚川市根知 - 糸魚川IC 約9km）
2019年3月29日: 整備区間指定（糸魚川市約5km）
2022年3月29日: 整備区間指定（安曇野市約4km）

通過自治体

長野県: 松本市、安曇野市、松川村、大町市、白馬村、小谷村
新潟県: 糸魚川市

関連情報

地域高規格道路一覧: 地域高規格道路に関する一般的な情報
中部地方の道路一覧: 中部地方の道路網に関する情報
大糸線: 本計画道路と並走するJRの路線

外部リンク

長野県建設部道路建設課
長野県安曇野建設事務所
長野県大町建設事務所
新潟県土木部建設課
新潟県糸魚川地域振興局地域整備部
安曇野市
大町市
糸魚川市


この道路の開通により、地域間の交流が活発になり、観光振興や経済発展に貢献することが期待されています。

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