松村知勝

松村知勝の生涯

松村知勝（まつむら ともかつ）は、1899年10月13日に福井県に生まれました。彼は陸軍中将の松村法吉を父に持ち、陸軍の道を歩む運命にありました。彼は、東京府立第四中学校から陸軍中央幼年学校予科、さらに本科を経て、1921年7月に陸軍士官学校（第33期）を卒業しました。即座に歩兵少尉としての任官を受け、歩兵第34連隊での勤務が始まります。

軍人としての成長

その後、松村は陸地測量部員などを経て、1928年12月には陸軍大学校（第40期）を卒業します。彼のキャリアは、参謀本部付勤務を含む様々な要職へと進展しました。1933年にはポーランドおよびソビエト連邦での勤務があり、ルーマニア公使館付の武官補佐官を担当しました。この海外での経験は、彼の軍人としての視野を広げる重要な時期となりました。

帰国後の1936年、松村は陸軍大学校の教官に就任し、続いて参謀本部員や戦史課長などの重職を歴任しました。1941年には歩兵大佐に昇進し、さらには同年10月に参謀本部ロシア課長に任命されます。

太平洋戦争と終戦

太平洋戦争の最中、1943年8月には関東軍の参謀に発令されました。彼のキャリアは、1945年3月に陸軍少将に昇進し、関東軍総参謀副長として終戦を迎えます。この時期、松村は多くの重要な軍事的判断に関与していました。しかし、戦争の終結後、彼はシベリアに抑留されることとなります。

戦後の生活

1946年9月17日、松村は草場辰巳、瀬島龍三とともにウラジオストクから空路東京へ護送され、ソ連側証人として法廷に出廷します。その後、1948年に公職追放仮指定を受け、1949年には重労働25年の判決が下されましたが、1956年12月に復員を果たしました。

家族と人脈

松村知勝の家族は、軍人としてのつながりが強く、妻は松村英子であり、彼女は陸軍中将の石坂善次郎の三女です。また、弟の松村辰雄も陸軍中佐でした。さらに、義兄には額田坦（陸軍中将）、義弟には樋口敬七郎（陸軍中将）がいます。

著作

松村知勝は、1977年に『関東軍参謀副長の手記』を刊行しています。この著作は、彼の軍人としての視野を持ち、戦争経験を記した貴重な記録となっています。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

松村知勝の生涯は、日本の陸軍の歴史の中で重要な役割を果たしたことが伺えます。彼の経験は、戦争の過酷さとその後の生活の厳しさを物語っており、陸軍における彼の足跡は今なお人々の記憶に残っています。

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