板倉重形

板倉 重形（いたくら しげかた）

板倉重形は、上野安中藩初代藩主であり、安中板倉家の創始者です。彼の生涯は、藩の立ち上げと発展に大きな影響を与えました。重形は元和6年（1620年）、板倉重宗の次男として生まれました。兄の重郷が正統な後継者となったため、重形は家督を相続することはできませんでしたが、後の人生で大きな役割を果たすことになります。

重形にとっての重要な転機は、正保元年（1644年）に下野都賀郡で1000石を領有することから始まりました。そして、寛文元年（1661年）には、兄から摂津島下郡の5000石と新田4000石を受け継ぎ、合計で1万石の領地を手に入れました。このように、重形は段階的に領地を拡大し、自身の地位を確立していきました。

延宝9年（1681年）には、さらに5000石の加増を受けて碓氷郡の33村を領有し、安中藩の初代藩主となりました。この時点で藩の総石高は1万5000石に達し、安中藩の形成に不可欠な役割を果たしました。重形は、藩政の基礎を固めるため、数々の施策を実施しました。

その一環として、同年12月には沼田藩主の真田信利が改易された際の沼田城の破却に伴い、城内にあった武具の引き取りや、安中街道の整備に取り組みました。また、土地政策の整備や村への月番役の制定により、藩の安定と発展を目指しました。これらの行動は、重形が自らの藩を繁栄させるためにどのように努力していたかを示しています。

さらに、天和3年（1683年）には寺社奉行に任命され、藩の宗教的・文化的な側面にも関与するようになりました。重形は、藩の発展だけでなく、その精神的な基盤をも築きました。重形の死は、貞享元年（1684年）7月26日に訪れ、享年65歳でした。彼の後を受け継いだのは、養子である外孫の重同です。

系譜

重形の家族に関する情報も重要です。彼の父は板倉重宗であり、母は戸田氏鉄の娘でした。正室には高木正弘の娘が選ばれました。重形と正室の間には複数の子供が生まれており、板倉亀丸や板倉帯刀などの名が残っています。また、建部政宇や神保元茂、堀直佑といった家族も重形の家系に属しています。重形の養子となったのは神保元茂の次男である板倉重同であり、これにより家系はさらに続いていくことになります。このように、板倉重形は安中藩の設立と維持に重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

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