林譲治 (政治家)

林 譲治（はやし じょうじ）

林譲治は1889年3月24日に高知県宿毛村（現在の宿毛市）で生まれ、1960年4月5日に逝去した日本の著名な政治家です。彼の業績は日本の戦後政治において重要な影響を与えました。林は第41代衆議院議長、副総理、厚生大臣、内閣官房長官など、さまざまな要職を歴任し、従二位勲一等旭日桐花大綬章を受章しています。

来歴と初期の活動

林は自由民権運動家である林有造の次男として生まれました。彼の政治的世界への足跡は、1918年に京都帝国大学法科大学を卒業した後、三菱倉庫での勤務を経て、1923年に宿毛町長に就任することから始まります。1927年には高知県会議員として活動を開始し、1930年の衆議院議員総選挙に立候補し当選しました。この当選を契機として、林は以後11回も当選を果たし、政治家としての地位を確立しました。

1931年には犬養内閣で鳩山一郎文部大臣の秘書官に任命され、立憲政友会鳩山派の中核を担うことになりました。1939年の政友会の分裂では、鳩山とともに正統派に所属し、その後は大政翼賛会には批判的な立場をとった同交会に参加しました。翼賛選挙では非推薦で立候補し、惜しくも落選しましたが、戦後の政治において彼の存在感はさらに増します。

戦後の政治活動

戦後の1946年、林は第1次吉田内閣で内閣書記官長に就任し、内閣の運営に大きく寄与します。吉田茂内閣の中で、大野伴睦や益谷秀次とともに「党人御三家」と呼ばれ、彼のリーダーシップが求められました。その後、第2次・第3次吉田内閣では副総理として厚生大臣を兼任し、国の政策に深く関与しました。特に彼は「宿毛内閣」として知られ、吉田とともに高知出身者として注目されました。

1951年には衆議院議長に任命され、1952年の自由党幹事長選挙では、林が抜き打ちで指名を受けた際に、議員総会での激しい抵抗がありましたが、最終的には彼が幹事長に選ばれることとなります。

私生活と文化活動

林はまた、俳人としても知られ、「鰌児」や「寿雲」といった号を持っていました。彼は政治家や新聞記者を中心とした句会「東嶺会」を主宰し、富安風生に師事しました。彼の俳句は文化活動への真摯な取り組みを示しており、没後には句集『古袷』が出版されています。

林には3人の子供がいます。長男の林迶は参議院議員と労働大臣を務め、次男の林遉は宿毛市長に就任しましたが、病気により短命で終えました。長女は大蔵官僚の岩動道行に嫁ぎました。

死去と影響

林譲治は1960年にがんを宣告され、71歳でこの世を去りました。彼の墓所は故郷である宿毛市の東福院にあります。彼の生涯は、日本の政治における重要な軌跡を残しており、現在もその業績は評価されています。旧林邸は改修され「宿毛まちのえき 林邸」として運営され、多くの人々に親しまれる場所となっています。

もう一度検索