柳本甚次郎

柳本甚次郎

柳本甚次郎は、戦国時代の武将であり、細川晴元の家臣として知られています。彼は三条城主を務め、その生涯は激動の戦国時代を象徴するものでした。

略歴

柳本家の当主であった柳本賢治は、細川晴元を支援し、細川高国を破るという功績を挙げ、晴元政権の一員として活躍していました。しかし、三好元長との間には多くの軋轢が生じていました。享禄3年（1530年）6月、賢治は浦上村宗との戦いの最中に刺客によって暗殺されました。賢治の子・虎満丸はまだ幼かったため、一族の中から甚次郎が名代としてその役割を担うこととなりました。

享禄3年（1530年）12月、甚次郎は高国派の重鎮であった細川元治（玄蕃頭家）を討とうとしましたが、計画は失敗に終わりました。

享禄4年（1531年）には、高国が大物崩れで討たれた後、元長は木沢長政ら晴元の家臣たちと対立を深めていきました。そして享禄5年（1532年）1月、晴元の家臣の一人であった甚次郎に元長の矛先が向けられ、元長は甚次郎の居城である京都三条城を攻撃しました。三条城は落城し、甚次郎は討死を遂げました。

甚次郎が元長によって殺害されたことは、元長と晴元の対立を激化させる一因となりました。阿波細川家の細川持隆が仲裁に入り、元長とその家臣たちが剃髪して恭順の意を示すことで一時的に和睦が成立しましたが、持隆はその後晴元と決裂して阿波に帰国し、対立は再燃、最終的に晴元は元長を討つことになります。

柳本甚次郎の死は、戦国時代の権力闘争における一局面を象徴しており、彼の短い生涯は、当時の武将たちの運命がいかに不安定であったかを物語っています。

脚注

出典

天野忠幸『三好長慶』ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ日本評伝選〉、2014年。ISBN 978-4-623-07072-5。
今谷明『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』洋泉社〈MC新書〉、2007年。ISBN 978-4-86248-135-1。
馬部隆弘『戦国期細川権力の研究』吉川弘文館、2018年。ISBN 978-4-642-02950-6。

関連項目

畿内・近国の戦国時代

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