柳生新陰流 (テレビドラマ)

柳生新陰流

『柳生新陰流』は、1982年3月3日から6月2日までテレビ東京系列で放送された全13話の時代劇ドラマです。この作品は、柳生新陰流を創始した剣豪、柳生宗矩の生涯を、愛と戦いを交えながら描いています。

概要

物語は、柳生宗矩が関ヶ原の戦いの功績により、徳川家康から旧領二千石を賜り、故郷の柳生の里へ凱旋するところから始まります。宗矩は若くして無刀取りの奥義を極め、「剣禅一如」の境地に至った人物として描かれています。ドラマは、宗矩が30歳から76歳で没するまでの波乱に満ちた生涯を軸に、徳川家康、秀忠、家光の三代に仕えた宗矩の姿を映し出します。

物語の中では、小野派一刀流の小野次郎右衛門をはじめとする多くの剣豪との激しい対決が描かれる一方、女性たちとのロマンスも織り込まれており、一代の英雄としての宗矩の人間味あふれる姿が描かれています。特に、後世に語り継がれる「寛永御前試合」は、ドラマの見どころの一つです。重厚な時代劇でありながらも、エンターテイメント性豊かな作品として、視聴者を楽しませました。

キャスト

主役の柳生宗矩を演じたのは萬屋錦之介です。彼は過去にも柳生宗矩役を演じており、その演技は多くの視聴者を魅了しました。

主なキャストは以下の通りです。

柳生宗矩：萬屋錦之介
柳生石舟斎：西村晃
おりん：真木洋子
小野次郎右衛門：御木本伸介
楓：佳那晃子
千代：篠ひろ子
柳生十兵衛：目黒祐樹
荒木又右衛門：天知茂
徳川秀忠：荒木しげる
坂崎出羽守：中村嘉葎雄
豊臣秀頼/本多忠刻：中村歌昇
千姫：山本みどり
沢庵：小池朝雄

その他、多数の俳優が豪華に脇を固め、ドラマに深みを与えています。

スタッフ

ドラマの制作には、以下のスタッフが携わりました。

プロデューサー：中岡潔治、菊池昭康、神山安平
脚本：沢島正継、岡本育子、津田幸於
監督：大洲斎、高瀬昌弘
音楽：木下忠司
ナレーター：鈴木瑞穂
柳生新陰流指導：大坪指方
殺陣：松尾玖治（錦耀会）
制作：テレビ東京、中村プロダクション

サブタイトル

各話のサブタイトルは以下の通りです。

1. 活人剣　宿敵を斬る
2. 対決小野派一刀流
3. 決闘宝蔵院流
4. 宗矩と二蓋笠
5. 激闘示現流
6. 三十三本目の手裏剣
7. 五三の桐は死なず
8. 江戸に渦まく陰謀
9. 徳川一族骨肉の争い
10. 将軍家光危機一髪
11. 宗矩と荒木又右衛門
12. 心の友　沢庵の死
13. 剣聖天界への旅立ち（最終回）

備考

本作は、萬屋錦之介が過去にも演じた柳生宗矩の当たり役の一つです。
1982年3月31日は特別番組のため放送休止されました。
関西地域では、テレビ大阪の開局記念番組として放送されました。
制作会社の中村プロダクションが倒産したため、本作が最後の作品となりました。
テレビ東京の12時間超ワイドドラマ「竜馬がゆく」は、当初予定されていた作品が制作不可能になったため、急遽、本作の制作体制を活かして制作されました。
柳生十兵衛役の目黒祐樹が着用した衣装は、実父である近衛十四郎が過去に着用したものであり、東映の衣装部から譲り受けたものです。
目黒祐樹の父である近衛十四郎も過去に柳生十兵衛を演じており、本作で息子が同じ役を演じたことが話題になりました。


このドラマは、柳生宗矩の生涯を通じて、武士の生き様や時代の変化を描き出した、見応えのある作品です。

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