由仁駅
由仁駅（ゆにえき）は、北海道夕張郡由仁町本町に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の鉄道駅です。かつては電報略号を「ユニ」とし、事務管理コードは▲130333が付与されていました。最盛期には、急行「夕張」も停車していました。
由仁駅の歴史は古く、明治時代の鉄道開業とともに歩み始めました。1892年（明治25年）8月1日、北海道炭礦鉄道の室蘭駅（現在の東室蘭駅）と岩見沢駅を結ぶ路線が開通した際に、一般駅として営業を開始しました。その後、1895年（明治28年）8月には公衆電報の取り扱いが始まりました。明治30年代には、北海道炭礦鉄道がこの駅から夕張鉄橋方面へ砂利運搬用の分岐線を敷設し、直営での砂利採取を行っていました。この分岐線は後に山原貞蔵が使用契約を結んでいます。
1906年（明治39年）10月1日、北海道炭礦鉄道の鉄道路線が国有化されたことにより、当駅も官設鉄道に移管され、北海道線の駅となりました。昭和に入り、1928年（昭和3年）には駅舎が改築されています。特筆すべき出来事として、1936年（昭和11年）10月3日には沿線で陸軍の特別大演習が実施され、昭和天皇が乗車されたお召し列車が由仁駅から札幌駅まで運行されました。
太平洋戦争中の1943年（昭和18年）頃には、軍の要請に応じる形で、駅より宇古川砂利採取場までの砂利専用線（距離約2.2km）が新たに敷設されました。この専用線は戦後、札建工業が使用契約を結びましたが、昭和40年代前半に廃止されています。
駅設備の改良も進められ、1971年（昭和46年）12月には駅舎の北側に人道用の跨線橋が完成しました。昭和50年代に入ると、駅の機能が縮小されていきます。1980年（昭和55年）5月15日には貨物取扱が廃止され、駅業務が業務委託に変更されました。さらに1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱も廃止され、同年3月31日にはついに駅員が配置されない無人駅となりました。
国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは北海道旅客鉄道（JR北海道）に引き継がれました。長らく駅を見守ってきた旧駅舎は、老朽化のため2006年（平成18年）8月に解体されましたが、その跡地には由仁町によって「ポッポ館 ゆに」と名付けられた交流施設が整備され、2007年（平成19年）にオープンし、現在に至ります。
駅名は、所在する町名である由仁町に由来しています。
現在の由仁駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅構造です。かつては単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面3線の構造で、島式ホームの外側に設けられた待避線が珍しい配線をしていました。しかし、1993年（平成5年）の時点で岩見沢方面の大部分と分岐器は撤去され、長万部方面から分岐する短い側線が残るのみとなりました。また、駅舎側の下り線と上り線の間には渡り線、待避線の外側には別の側線がありましたが、これらも1993年時点では分岐器を含めて撤去されています。現在は、駅舎側のホーム南端と反対側のホーム南端を結ぶ跨線橋によってホーム間が連絡されています。1993年時点では、下り線側（駅舎側）に岩見沢方面から分岐する側線が1線残存していました。
当駅は追分駅が管理する無人駅となっています。旧駅舎の跡地、線路の西側（岩見沢方面に向かって左手）には、由仁町が設置した交流施設が建てられており、下り線ホームに隣接しています。この交流施設「ポッポ館 ゆに」が、実質的な駅舎として利用されています。かつて使用されていた有人駅時代の駅舎は、1928年（昭和3年）に改築されたもので、マンサード屋根に下見板張り、さらに上辺が水平という独特な形状の車寄せを持つアメリカンスタイルの建物でしたが、2006年（平成18年）の解体により姿を消しました。現在、交流施設内の観光案内所では通常のJR乗車券類は販売されていませんが、2017年から2019年にかけてはJR北海道の記念入場券が発売された時期もありました。駅舎代わりの施設内には、オストメイト対応のトイレも設置されています。
（乗車人員の推移に関する詳細は省略）
駅周辺は由仁町の中心市街地となっていますが、町役場からはやや離れた位置にあります。周辺には、北海道道477号滝下由仁停車場線、北海道道602号東三川由仁停車場線、そして主要幹線である北海道道3号札幌夕張線が通っています。
主な周辺施設としては、北海道銀行栗山支店由仁町役場派出所、由仁町健康元気づくり館、栗山警察署由仁駐在所、由仁郵便局、空知信用金庫由仁支店、そらち南農業協同組合（JAそらち南）由仁支所などがあります。教育機関としては、由仁町立由仁小学校、由仁町立由仁中学校が所在します。また、駅から南西約2kmに伏見台公園、北西約3kmに馬追温泉、近隣には伏見温泉ユンニの湯といった行楽・温泉施設も点在しています。駅の近くには由仁川や、その独特な名称で知られるヤリキレナイ川も流れています。
駅前には北海道中央バス（岩見沢営業所）および夕張鉄道（札幌急行線）の「由仁駅前」バス停留所があり、鉄道とバスの乗り換えが可能です。
北海道旅客鉄道（JR北海道）
室蘭本線：古山駅 - 由仁駅 - 栗山駅
歴史
由仁駅の歴史は古く、明治時代の鉄道開業とともに歩み始めました。1892年（明治25年）8月1日、北海道炭礦鉄道の室蘭駅（現在の東室蘭駅）と岩見沢駅を結ぶ路線が開通した際に、一般駅として営業を開始しました。その後、1895年（明治28年）8月には公衆電報の取り扱いが始まりました。明治30年代には、北海道炭礦鉄道がこの駅から夕張鉄橋方面へ砂利運搬用の分岐線を敷設し、直営での砂利採取を行っていました。この分岐線は後に山原貞蔵が使用契約を結んでいます。
1906年（明治39年）10月1日、北海道炭礦鉄道の鉄道路線が国有化されたことにより、当駅も官設鉄道に移管され、北海道線の駅となりました。昭和に入り、1928年（昭和3年）には駅舎が改築されています。特筆すべき出来事として、1936年（昭和11年）10月3日には沿線で陸軍の特別大演習が実施され、昭和天皇が乗車されたお召し列車が由仁駅から札幌駅まで運行されました。
太平洋戦争中の1943年（昭和18年）頃には、軍の要請に応じる形で、駅より宇古川砂利採取場までの砂利専用線（距離約2.2km）が新たに敷設されました。この専用線は戦後、札建工業が使用契約を結びましたが、昭和40年代前半に廃止されています。
駅設備の改良も進められ、1971年（昭和46年）12月には駅舎の北側に人道用の跨線橋が完成しました。昭和50年代に入ると、駅の機能が縮小されていきます。1980年（昭和55年）5月15日には貨物取扱が廃止され、駅業務が業務委託に変更されました。さらに1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱も廃止され、同年3月31日にはついに駅員が配置されない無人駅となりました。
国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは北海道旅客鉄道（JR北海道）に引き継がれました。長らく駅を見守ってきた旧駅舎は、老朽化のため2006年（平成18年）8月に解体されましたが、その跡地には由仁町によって「ポッポ館 ゆに」と名付けられた交流施設が整備され、2007年（平成19年）にオープンし、現在に至ります。
駅名の由来
駅名は、所在する町名である由仁町に由来しています。
駅構造
現在の由仁駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅構造です。かつては単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面3線の構造で、島式ホームの外側に設けられた待避線が珍しい配線をしていました。しかし、1993年（平成5年）の時点で岩見沢方面の大部分と分岐器は撤去され、長万部方面から分岐する短い側線が残るのみとなりました。また、駅舎側の下り線と上り線の間には渡り線、待避線の外側には別の側線がありましたが、これらも1993年時点では分岐器を含めて撤去されています。現在は、駅舎側のホーム南端と反対側のホーム南端を結ぶ跨線橋によってホーム間が連絡されています。1993年時点では、下り線側（駅舎側）に岩見沢方面から分岐する側線が1線残存していました。
当駅は追分駅が管理する無人駅となっています。旧駅舎の跡地、線路の西側（岩見沢方面に向かって左手）には、由仁町が設置した交流施設が建てられており、下り線ホームに隣接しています。この交流施設「ポッポ館 ゆに」が、実質的な駅舎として利用されています。かつて使用されていた有人駅時代の駅舎は、1928年（昭和3年）に改築されたもので、マンサード屋根に下見板張り、さらに上辺が水平という独特な形状の車寄せを持つアメリカンスタイルの建物でしたが、2006年（平成18年）の解体により姿を消しました。現在、交流施設内の観光案内所では通常のJR乗車券類は販売されていませんが、2017年から2019年にかけてはJR北海道の記念入場券が発売された時期もありました。駅舎代わりの施設内には、オストメイト対応のトイレも設置されています。
利用状況
（乗車人員の推移に関する詳細は省略）
駅周辺
駅周辺は由仁町の中心市街地となっていますが、町役場からはやや離れた位置にあります。周辺には、北海道道477号滝下由仁停車場線、北海道道602号東三川由仁停車場線、そして主要幹線である北海道道3号札幌夕張線が通っています。
主な周辺施設としては、北海道銀行栗山支店由仁町役場派出所、由仁町健康元気づくり館、栗山警察署由仁駐在所、由仁郵便局、空知信用金庫由仁支店、そらち南農業協同組合（JAそらち南）由仁支所などがあります。教育機関としては、由仁町立由仁小学校、由仁町立由仁中学校が所在します。また、駅から南西約2kmに伏見台公園、北西約3kmに馬追温泉、近隣には伏見温泉ユンニの湯といった行楽・温泉施設も点在しています。駅の近くには由仁川や、その独特な名称で知られるヤリキレナイ川も流れています。
駅前には北海道中央バス（岩見沢営業所）および夕張鉄道（札幌急行線）の「由仁駅前」バス停留所があり、鉄道とバスの乗り換えが可能です。
隣の駅
北海道旅客鉄道（JR北海道）
室蘭本線：古山駅 - 由仁駅 - 栗山駅
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。