栗原幸夫

栗原幸夫について

栗原幸夫は、1927年東京に生まれました。慶應義塾大学経済学部を卒業後、青木書店、『週刊読書人』、『日本読書新聞』の編集部に勤務しました。編集者として働く傍ら、小田切秀雄や埴谷雄高に師事し、文学や思想への造詣を深めました。

政治活動においては、1946年頃に日本共産党に入党しましたが、1950年のいわゆる「50年問題」で除名されました。その後、六全協後に復党するも、1961年に党中央を批判する文書を公開したことで再び除名されました。1960年代後半には、共産主義労働者党員やベ平連の一員として活動しました。池田浩士、天野恵一らと共に新左翼運動に関わり、反日本共産党の立場から社会主義運動史、プロレタリア文学史を研究しました。

また、共産党系を排除した後の新日本文学会において、中心的な人物として活躍しました。

栗原幸夫の主な著書

栗原幸夫は、評論家として多数の著書を執筆しました。主な著書として、以下のようなものがあります。

『転形期の政治と文学』 (芳賀書店, 1964年)：この著書は、今日の状況叢書の一冊として刊行され、変革期の政治と文学の関係について論じています。
『プロレタリア文学とその時代』 (平凡社, 1971年、のちインパクト出版会)：プロレタリア文学の歴史と意義について深く掘り下げた研究書です。
『死者たちの日々』 (三一書房, 1975年)：社会の矛盾や苦悩を描いた作品です。
『肩書きのない仕事』 (三一書房, 1977年)：社会における仕事の意味や価値について考察した作品です。
『歴史の道標から 日本的<近代>のアポリアを克服する思想の回路』 (れんが書房新社, 1989年)：日本の近代における思想的な課題を論じた作品です。
『世紀を越える この時代の経験』 (社会評論社, 2001年)：激動の時代を生き抜いた経験を振り返り、現代社会に対する考察をまとめた作品です。
『未来形の過去から 無党の運動論に向って』 (インパクト出版会, 2006年)：過去の運動の経験を踏まえ、未来に向けた運動のあり方を提起した作品です。

栗原幸夫の主な編著

栗原幸夫は、編著も多数手がけています。主な編著として、以下のようなものがあります。

『芸術の革命と革命の芸術』（編著） (社会評論社, 1990年)：芸術と革命の関係について論じた作品です。
『革命幻談・つい昨日の話 聞き手:池田浩士,天野恵一』 (社会評論社, 1990年)：池田浩士、天野恵一との対話を通じて、革命運動の歴史を振り返った作品です。
『埴谷雄高語る』 (河合文化教育研究所, 1994年)：埴谷雄高の思想と文学についてまとめた作品です。
『コメンタール戦後50年 第1巻 戦後の始まり（編）』 (社会評論社, 1995年)：戦後50年を記念して、戦後の始まりについて論じた作品です。
『市民運動のためのインターネット 民衆的ネットワークの理論と活用法　小倉利丸共編著』 (社会評論社, 1996年)：インターネットが市民運動に与える影響について考察した作品です。
『歴史のなかの「戦後」（編）』 (河合ブックレット, 1996年)：戦後の歴史を多角的に捉え、考察した作品です。
『廃墟の可能性 現代文学の誕生（責任編集）』 (インパクト出版会, 1997年)：現代文学の誕生について論じた作品です。
『大転換期 「60年代」の光芒 （編）』 (インパクト出版会, 2003年)：1960年代の文化と社会運動について論じた作品です。

外部リンク

ホイのホイ(栗原幸夫の個人ホームページ)

栗原幸夫は、その多岐にわたる活動を通して、日本の文学、政治、社会運動に大きな足跡を残しました。彼の思想や活動は、現代社会を考える上で重要な視点を提供し続けています。

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