栗田幸雄

栗田幸雄（くりた ゆきお）

1930年4月6日、福井県鯖江市に生まれた栗田幸雄は、2024年5月17日に94歳で生涯を終えた日本の政治家です。福井県知事を4期務め、その間に県内の発展に大きく貢献しました。最終的な位階は従三位、勲章は旭日大綬章が授与されています。

政治家としての足跡

栗田氏は、東京大学法学部を卒業後、自治庁に入庁。その後、福井県副知事を経て、1987年に福井県知事に初当選しました。以後、4期連続で当選を果たし、県政の舵取り役として活躍しました。その在任期間中、特に力を注いだのが、県内の公共施設の整備と拡充です。

主な政策

公共事業

栗田県政下では、福井県工業技術センター、福井県立大学（1992年）、福井県産業振興施設（1995年）、福井県立音楽堂（1997年）、福井県児童科学館（1999年）、福井県立恐竜博物館（2000年）など、産業、芸術文化、学術・教育分野における大型公共施設の整備が積極的に進められました。

交通政策においては、福井空港の拡張、舞鶴若狭自動車道の延伸、中部縦貫自動車道の基本計画推進、北陸新幹線や琵琶湖若狭湾快速鉄道の新線建設促進、JR小浜線の電化などの高速鉄道網整備、敦賀港の港湾整備など、広範な交通インフラの整備にも力を入れました。

これらの大型公共事業は、県民の生活を豊かにする一方で、ハコモノ行政との批判も一部で存在しました。

原子力政策

原子力政策に関しては、在任中に高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ火災事故（1995年）、美浜原発2号機の伝熱管破断事故（1991年）、高浜原発3号機用MOX燃料データ改ざんの発覚（1999年）など、県内の原子力発電に影響を与える重大な出来事が相次ぎました。

そのような状況下で、栗田氏は、国のプルサーマル実施の事前了解（1999年）、もんじゅの運転再開に向けた国の安全審査入りへの了解（2001年）、敦賀原発3・4号機の増設同意（2002年）など、原子力発電に対して肯定的な立場を取りました。

その他の経歴

1955年（昭和30年）4月：自治庁入庁
1963年（昭和38年）6月：福井県副知事就任
1986年（昭和61年）12月：福井県副知事を辞任
1987年（昭和62年）4月：福井県知事選挙で初当選
1991年（平成3年）4月：米価審議会委員
1994年（平成6年）4月：政府税制調査会委員
2002年（平成14年）10月：次期知事選への不出馬を表明
2003年（平成15年）4月：福井県知事を退任
2003年（平成15年）5月：財団法人福井県国際交流協会会長就任
2003年（平成15年）7月：福井県立大学名誉客員教授
2010年（平成22年）4月：国際ロータリー第2650地区ガバナー就任
2024年（令和6年）5月17日：老衰のため死去

人物

栗田幸雄は、福井県の発展に大きく貢献した政治家として、その名が刻まれています。公共施設の整備や交通インフラの拡充に尽力し、県民の生活水準の向上に大きく寄与しました。一方で、原子力政策に関する積極的な姿勢は、賛否両論を生み、その評価は分かれるところです。しかし、その功績と課題は、今後の福井県の発展を考える上で、重要な示唆を与えるものでしょう。

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